東日本大震災から4か月、そして市議選告示まで2か月となった7月11日、午前中は議会報編集委員会、午後には都市内分権審議会(会長・沼尾史久信大経済学部教授)が開かれ、夕方まで市役所に。夕刻からの激しい夕立で、地元からは「雨水が溢れ大変」とSOSが飛び込み、現場に急行。取り急ぎ「土嚢」をお願いし様子を見ることに。土砂災害が憂慮される昨今です。
さて、都市内分権審議会です。私は委員を務めています。地元の安茂里住自協の北原会長が新たな委員に就かれました。
今日の審議会のメインはH22年度から本格的な活動に移行した住民自治協議会の活動や決算等に関する中間報告で、原案に対し、自治協の現場からは厳しい意見が相次ぎました。
中間報告は、組織体制や予算編成・予算執行状況等の調査を踏まえ、課題を整理したもので、いわば組織とお金についてまとめたもの。全体的には「想定以上の成果を上げることができた」と評価、部会活動や予算執行、地区団体への補助金の流れが明瞭となったものの、従来の地区組織を日のまま部会組織に再編した地区が多く、組織としての閉鎖性や予算面での硬直が改善されていないと指摘します。
今後の住自協の課題として「役員任期」「専従事務局長の設置の必要性」や「住自協と地区福祉ワーカーの融合」「住民への周知」をあげるとともに、市としての課題として「選択事務における担当課の対応」「支所から住自協への事務の円滑な移行」「事務局長人件費のねん出と支所職員の減員」をあげました。
住自協の会長や審議委員からは「事務移行に伴い、支所が住自協から手を抜こうとしているとの印象がある。支所長をはじめとし支所がもっと支援の役割を果たすべき」「1年任期の役員体制では継続的な活動が維持できない。支所が積極的に関わるべき」「事務局長を配置する代わりに支所の人員を減らすという考えは納得できない」との厳しい意見が相次ぎました。
全体的に「役所側の視点からの中間まとめ」という印象がぬぐえません。私からは「中間報告は組織とお金に関する部分的なまとめ、全体的な検証はどのように行うのか」と問うとともに「本格移行した住自協の活動を検証する視点として、住民参画がどのように広がり、地域住民が主体となったまちづくりがどのように前進したのかといったことが重要。移行期とはいえ、審議会の協議の視点として明確にすべきでは」と意見を述べました。
次回までに、活動状況を含めまとめたいとの考えが示されたものの、住自協の活動評価の視点については、重要であるとの認識が示されるにとどまりました。
住自協では、「地域やる気支援補助金」を活用した活動をはじめ、自主企画としてこれまでの活動のすそ野を更に広げる取り組みが始まっています。総体として評価し課題を浮き彫りにする必要性を痛感します。
住自協の主要な活動である地域福祉の向上を巡り、地域福祉ワーカーの位置付けや地区社協との関係が課題であることも指摘されました。いわく「市厚生課と市社協、住自協の融合が不可欠」とされた点です。地域まちづくりの主体をどこに置くのかが不鮮明であるが故に生起している課題といえます。
住民参画による住民自治協議会の自立的な活動を柱に据えて、これを支援する支所・本庁担当課の役割を早期に整理・定着させることが重要だと思います。秋に方向性を出すとされる「支所のあり方、機能・権限」と密接不可分な課題、住自協の所管である地域振興部から「支所職員の減員」が打ち出されるようでは、支所のあり方の見直しは住自協の将来展望の剣ヶ峰になりそうです。