22日、安茂里地区住民自治協議会の総会が開かれ、来賓として出席しました。区長の市長委嘱の廃止、各種団体の廃止に伴う一括交付金への移行という形での本格稼働から1年、新年度は2年目のスタートです。
東日本大震災の犠牲者の皆さんへの黙祷に始まった総会、事業計画(案)は6つの部会長さんがそれぞれ提案するという新しい試みも。3年をかけてまとめられた「安茂里地区まちづくり計画」も報告されました。
この「まちづくり計画」は市の地域福祉計画に基づき、地区版の福祉計画として策定が始まったものですが、検討を重ねる中で、「福祉だけではなく環境や教育、安全も含め広い意味でのまちづくり全体を考えよう」に発展、「まちづくり計画」となった経過があります。一昨年に実施した3000世帯のアンケートをもとに、住民参加の「まちづくり委員会」で検討し策定されたものです。
「支えあう・助け合う」「交わる・集う」「学ぶ・参加する」の三つの基本目標で、地域の課題と目標を設定。住民自治協議会のこれまでの部会毎の活動継続に加え、ひとり暮らし高齢者への声かけ見守り活動、地域の拠り所の設置、ボランティアの人材登録、まちづくり勉強会など新規の事業も盛り込まれています。H23年度から27年度の5年計画です。
私は、これまでに2回の「まちづくり委員会」に参加させてもらいました。委員会に参加する住民の皆さんの真剣な想いに敬服したものです。この日の挨拶の中でも、このまちづくり計画に触れ、「計画をまとめるプロセスが大事であったと思う。自分たちが住み続ける“わがまち”をお互いに見つめ直し、みんながこんな風に暮らし続けられればいいねっていう願いがこもっている計画、住民自治を進める自治協の活動の背骨として、実現に向けて共に力を合わせたい」と述べさせてもらいました。
問題は、こうしたまちづくり計画を実施・推進していくための財源が心もとないことです。自治協議会の財政(安茂里地区の新年度予算は2600万円規模)は市からの交付金と各区・団体の負担金を主な収入として運営されますが、これまでの事業を継続するだけで一杯といった感じです。
今年度から自治協議会の事務局人件費は100万円から190万円に増額され、世帯数に応じて交付金が加算されるようにはなりましたが、自治協議会の自主的な事業拡大を裏打ちする財源には不十分です。住民自治は自立を基本とするだけに、住民自治を行政がどのようにどこまでバックアップするのか、根本的な問題にぶつかることになります。地域やる気支援事業の補助金活用をはじめ収益事業の展開も考える必要もあるのでしょうが、自立への過渡期であることを考えれば、行政の財政支援の拡充が必要であると考えています。