■私は、「総合連携計画では、しなの鉄道との接続改善や直通運転、バスとの接続改善など、H23年度に予定される利用促進のためのメニューが残されている。通勤等の利用促進を図るカギ。実証実験の継続が自然な流れである」ことを強調するとともに、「活性化協議会の議論は、沿線住民の想いや取り組みと距離感がある。バス代替ありきではないかといった沿線住民の活性化協議会や行政に対する不信を増幅させるようなことがあってはならない。国も住民判断の重要性を指摘している。沿線の想いや取り組みを重視した判断が求められている」と指摘しました。また、公的支援のあり方について、「行政の政治決断が求められる課題。沿線3市の首長の協議というテーブルも作るべきではないか」と提案しました。
■2月2日の第12回活性化協議会で、多数決で一つの方向性をまとめるという瀬戸際にある中、特別委員会として、来週中にも、沿線住民の代表、長野電鉄など交通事業者の代表、活性化協議会の会長(副市長)を参考人として委員会出席を求め、意見交換することを決めました。こうした意見交換を通して、特別委員会としての意見集約を最大限行い対応することをめざしたいと思います。また、発足した議員連盟の構成議員を通じて、当該自治体の活性化協議会員に対する働きかけを促進することも必要です。
■この日、午前8時50分から、長野電鉄の笠原甲一社長らに対して、長野地区公共交通対策会議として「屋代線活性化に向けた実証実験の継続への参画」を要望しました。社長は「要望申し入れの趣旨はしっかりと受け止めたい」と述べる一方、「鉄路存続の選択は、税金の投入の公平性という観点から考えて、果たして妥当と言えるのか」「乗車密度450人では経営が維持できないことは明らか。沿線の移動手段の確保には責任を持ちたい。きめの細かいバス代替運行で黒字にできる計画を検討したい」と、バス代替を前提とした移動手段の確保に踏み込む姿勢を明らかにしました。ただし「活性化協議会で実証実験継続が決まれば、それに従い取り組む」とも述べました。
■社長から「布目さんがこんな風に考えているのは意外」と突っ込まれる場面も。交通事業者の経営の厳しさは理解しているのではと言いたかったのでしょう。私は、「経営の厳しさを十分に理解した上で、公共交通ネットワークにおける鉄道の存在意義、沿線住民の利用促進に向けた取り組みの発展性、可能性を考えた時、まだまだできることがある。赤字補てんは大前提だ。努力してもらいたい」と申し上げました。予定をオーバーし50分余り意見交換しましたが、平行線に終わったとの感は否めません。
■また昼前にはアルピコグループ・ホールディングスの堀籠代表が鷲沢市長に新年のあいさつに訪れ、一緒に立ち会いました。現在、再生計画の1年前倒し完了をめざすアルピコグループでは、交通事業部門の松本電鉄、諏訪バス、川中島バスの3社統合などを検討しています。私はスケールメリットやコストメリットから考えて3社統合に懐疑的な一人ですが、この日は、こうした問題には触れられず、和気あいあいといった感じの意見交換に終わりました。
■実は今日、このバス会社3社統合問題への対応についての対策会議が同時並行で開かれていたこともあって、まさに公共交通デーといった1日でした。