「家計を直接支援」…市長公約の実現を迫る
3期目の市長選のマニフェストで市長は「雇用確保が市政運営上の最重要課題」であり「子育て・介護などに対する直接的な家計支援を通して、市民の可処分所得を増やし、消費拡大を図ることが不可欠」としたことについて、その実現度、十分性を質しました。
市長は、子ども手当てに81億1千万円余、新たに17小学校区で開設する校内施設を活用した子どもプラザなど放課後子どもプランに5億4千万余、福祉医療費の負担軽減の拡大で、小学校1年生から3年生の入院費用(4月から)、また通院費用(10月から)を対象にする経費として17億7千万円余、介護関係では介護者への慰労金として年額9千円から3万5千円を支給、計7800万円、妊婦検診の公費負担の拡大で3億8千万円、特定不妊治療への助成限度額を10万円から15万円に引き上げて計5400万円。子宮がんや乳がんの検診で無料クーポン券を配布し受診促進を図るために4400万円などを列挙した上で、「市単独で行うだけでは限界があり、国・県の制度を最大限活用していきたい」と答弁。
「新年度の予算措置で十分と考えるか」との再質問に市長は「十分か、どうかは申し上げられない。民生支援の国の方針に基づき、自治体負担も受け入れながら進めるということだ。キリがない話で、全部やるかどうかは分からない」と答弁、国の施策を越えて生活支援していくことには消極的な姿勢となっています。引き続きこれからの課題としなければなりません。
利用者負担の見直し…少年科学センター・博物館の入館料は据え置きに
子育て・社会教育の分野や福祉・健康の分野では、利用者負担の見直しは凍結すべきとかねてから主張してきましたが、H22年度実施で検討されてきた少年科学センターや博物館の入館料値上げやH23年度実施予定のがん検診受診料の値上げを凍結するよう改めて質しました。
教育次長は、少年科学センター、博物館の入場料は、利用者アンケートから半数前後の反対があり展示物等の設備更新・充実を望む声が多かったことから、H22年度からの実施は見送り、据え置きとすることを明らかにしました。アンケート結果が大きな市民力となりました。ただし、経営改善策の結果等を踏まえ、再度検討していきたいとしていますから要注意です。。
一方、保健福祉部長は、がん検診の自己負担額の見直しは、「長野市保健所運営協議会の意見や市民の意見を聴きながらH23年度実施目標で検討を重ねたい」とした上で、「がん検診受診率50%以上を目標とする国のがん対策推進基本計画があり、受診率に影響を及ぼすことのないよう慎重に検討したい」と答弁しました。
行政サービスの利用者負担の見直しそのものについて「経済不況、少子高齢化などの社会情勢を踏まえ、経済的弱者、高齢者及び子どもを持つ家庭などへの配慮や家計への影響などを十分に考慮する必要がある」と慎重な姿勢を示しています。今後も「据え置き」に向け、粘り強く取り組む所存です。
県補助金を活用し市行政で278人の雇用創出を予定
まちづくりアンケートの「特に力を入れてほしい施策」で「安定した雇用の確保」が第1位となる中、新年度の緊急雇用創出事業は、当初予算で3億2400万円余を計上(H21年度は1800万)。「ふるさと雇用再生特別事業補助金」で5事業・19人の雇用創出、「緊急雇用創出事業補助金」では45事業・259人の雇用創出、全体で278人の新たな雇用を見込んでいます。市長は「他の自治体の事業なども参考にして、より多くの雇用創出を積極的に図る」としました。
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