2月29日から3月25日までの会期で3月市議会定例会が始まりました。総額1,348億7000万円の新年度一般会計予算案をはじめ、条例改正案など68の議案を審議します。
「選択と集中」による「優先度の高い施策の実現」の中身の検証、財政再建、信州新町・中条村との合併問題、地域公共交通の維持・活性化、放課後子どもプランの具体化、指定管理者の更新に関わる課題、国民健康保険料2年間で18.3%値上げの問題、受益者負担の見直し問題、市庁舎・市民会館の建設、都市内分権の具体化などが焦点となるのではないでしょうか。
■3月5日からは代表質問、私は6日午後1時から一般質問です
市民ネットは残念ながら代表質問できませんが、個人一般質問を3月6日(木)午後1時から55分間の時間で行います。時間のある方はぜひ、傍聴してみてください。
一般質問は次の課題を予定しています。
1.地域公共交通の活性化・再生について
2.信州新町・中条村との合併について
3.長野市版放課後子どもプランについて
4.受益者・利用者負担の見直しについて
5.指定管理者の更新・選定にあたっての課題について
6.家庭ごみ処理手数料の有料化について
7.文化芸術の振興策について
8.その他
私の地元である安茂里が抱える課題も山積しており、質問に加えるかどうか…まだ検討中です。食肉工場跡地の公園整備、JR安茂里駅の踏切の安全の確保、マンボ橋の改修、国道19号等の整備などが課題としてありますが、それぞれ担当部・担当課と相対で協議できる課題でもあり、思案中といったところです。
■一般会計新年度予算は1,348億7千万円、4年ぶりの増加予算に
当初予算は、前年度比で2.6%の増、借換債を除いた予算額では1,325億6千万円、0.9%の増となります。「優先度の高い施策の実現」と「財政の健全化」という大きな2つの柱の両立に向けて編成したとしています。
≪特別会計、企業会計を含めると2,532億9千万円≫
一般会計に国民健康保険特別会計など17会計で621億1千万、上下水道や病院の企業会計、5会計で563億1千万、合計すると長野市全体の財政規模は2,532億9千万円ということになります。前年度に比べると▲6.1%となるそうです。
≪優先施策6分野に130億円≫
一般会計では、@都市内分権の推進(3,769万)、A子育ち・子育て支援の推進(37億6,014万)、B防災体制の整備(3億2,756万)、C快適で安全な教育環境の整備(50億7,368万)、D訪れてみたくなる地域づくり(6億4,278万)、E企業立地の推進(2億6,499万)の6分野を優先施策とし、合計130億円(一般会計では101億円、総額の7.6%)を投入するものです。
≪「選択と集中」の徹底≫
また、最小の経費で最大の効果を発揮するため、事業の必要性に緊急度や優先度を吟味し施策を厳選したともされています。
≪「スリムで筋肉質な予算」≫
将来の大規模事業に耐えられるように、今から「無駄」をそぎ落とし筋肉質な予算にしたという意味なのでしょうが、総人件費の抑制やすべての事務事業の精査の結果としていることが気がかりな点です。
≪事務事業の見直しで2億8700万円の「節減」≫
22の事務事業を見直し▲1億1700万、32の負担金を見直し▲4000万、72の補助金の見直しで▲6200万、需要費や委託料の見直しで▲6700万、合計で2億8700万円の「節減」ができたとしていますが、福祉医療費の給付の縮減や補助金の縮減は、はたして「節減」と言えるのか、疑問が残ります。
≪基金の取り崩しは18億円、市債の新規発行は97億円≫
貯金である基金の取り崩しは18億円で前年度当初に比べ▲11億円、新たな借金は当初見込み97億円で100億円を下回るものとなっています。
■またもや利用料・使用料の値上げ
受益者・利用者負担の見直しが進められていますが、またまた前倒しで、もんぜんぷら座のホールやBOXの使用料の値上げ、飯綱高原南グランドの利用料の値上げが条例の改定案として提案されています。また、在宅福祉介護料の見直し・削減も提案されます。
■市庁舎建設に6億円の基金を創設
「震度5以上で崩壊の危険あり」と耐震強度不足が指摘されている第一庁舎(S42年築)及び市民会館(S38年築)について、「建て替え」の基本方針をまとめ、新年度予算で6億円の基金をつくることになります。3年間かけて20億円くらいを積立、市政90周年事業の文化施設建設基金=23億円も充当する資金対策を講じる計画。建て替えにあたっては、本庁機能をコンパクト化し、「総合窓口」を設置するなどで、今の第一庁舎の3分の2くらいのスペースを確保、また市民会館は750人から1500人程度を収容できるものにするとのこと、計画はまだアバウトなものです。
第一庁舎の建て替えは必要ですが、総事業費で100億円を上回ることになりそうですから(まだはっきりしていませんが)、庁舎の機能や市民会館のあり方について、市民的議論が必要となります。
■国民健康保険料、18.8%の値上げが提案
問題山積の後期高齢者医療制度が4月からスタートすることで、75歳以上の高齢者が国民健康保険から離脱すること、メタボリックシンドロームの特定検診が国保の新しい事業となり財政負担が増加したこと、基金の最低必要額である7億4300万円が不足することなどから、国民健康保険料の値上げが提案されています。改定案では、現状据え置きで10億5600万円の収支不足が生じ19.4%の改定が必要となるが、激変緩和のため基金を3億5千万取り崩し、H20年度で13.8%の値上げ、引き続きH21年度で5.0%の値上げをせざるを得ないとしています。一人あたりの平均改定額は年額でH20年度に9,169円のアップ、H21度で3,762円となります。2年間で12,931円もの値上げとなります。議員を職とする私の場合では3万円のアップとなります。個人的にも大変な負担です。ましてや国保に加入する市民の皆さんは大変!との想いが募ります。
保険制度に関しては、後期高齢者医療制度をはじめ国の制度設計に基本的な問題があり、国の負担分を増やさない限り、自治体が担う国保会計は破綻してしまうのです。長野市として基金の取り崩しに限界があるとするならば、一般会計からの繰出金で市民の負担を軽減する方法はないのかとも思います。
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