広域連合議会では「総務委員会」に所属していますが、予算案の審議では「議会費・総務費・公債費・予備費」が所管で、ごみ焼却施設や高齢者福祉施設、介護認定などの予算案は「福祉環境委員会」が担当することになっています。
従って、総務委員会の審議は「これといった論点」がなかなか無いのですが、今議会では広域連合が持っている「基金」の活用が議論となりました。議会冒頭に連合長から「10億円の長野地域ふるさと市町村圏基金の運用方法や基金のあり方そのものの抜本的な見直しを検討する」との方向が示されたからです。
「長野地域ふるさと市町村圏基金」とは、H4年9月に国のふるさと創生事業の一つである「ふるさと市町村圏」に長野地域が選定されたことに伴い、2年間で県と関係市町村が出資して造成した10億円の基金です。基金の運用益で広報紙の発行やフォトコンテストなどのふるさと再発見事業、広域的課題の調査研究を行っています。基金の運用益はH20年度予算案で859万円。現在、基金の運用は、8億4千万を高齢者福祉施設の建設費に一般会計を経由して貸し出し(貸付金として運用)、残りの1億5千万を預金し利子収入を得ている構図となります。貸付金の基金への返済はH36年までかかるとのこと。従って「基金10億円」が満額復活するのは16年先ということになります。
確かに、運用益だけでは利率が良くない今日、事業の原資とするには心もとない訳で、見直しは必要であると思いますが、国が今年の1月に「基金は取り崩してもよい」としたことが見直しの背景にあることが判明しました。とすると、今、広域連合が進めている「高齢者福祉施設の社会福祉法人化(直営からの民営化)」の推進に合わせ、施設の建設貸付金をチャラにして、即ち負債を少なくして民営化を図ることを考えているのだろうかとの疑念が生じてきます。これでは基金の本来の目的を逸脱することになります。杞憂であればと思いますが、要チェックです。
総務委員会の中では、基金の運用の見直しにあたっては慎重に対応すること、基金の運用益を活用して行う事業については住民の声を反映する仕組みをつくり対応することを強く求め、「委員長報告」にも盛り込み、本会議での可決となった次第です。
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