12月4日から19日まで16日間の会期で定例市議会が始まりました。市が提出した、総額8億4500万円余を追加する一般会計補正予算案をはじめ、市条例の改正議案や公の施設管理に導入している指定管理者の指定に関する議案など39の議案と2006(H18)年度一般会計・各特別会計の認定案を審議します。若里工業団地の地盤沈下問題に関する和解も議案となっています。
■市長の所信表明を聞いて…「新たな税体系の構築」と「森林税」
今日は市長から議案説明が行われました。議会ごとの所信表明に近いものなのですが、「国において、国民生活の変化に応じた新たな税体系の構築が必要」と言及、さらに県が提案している「森林税」の導入について「県民に新たな負担を求めることもやむを得ない」とした上で「森林を守っていくための財源は国民が平等に負担すべき(すなわち国の責任で行うべき)で、単に一自治体の課題としてはならない。家計の負担感も増してきている現状において、新税創設の考え方や使い道、さらにはその効果など、きちんとした説明が不可欠」としました。いずれも総論としては同感なのですが、最初の「新たな税体系の構築」では「消費税や企業減税のあり方など、各論になると考える方向が違うだろうな」と率直に思いました。地方が豊かになる税体系という意味ではその通りなのですが、生活格差が固定化しつつある中で、持続可能な社会をいかにつくるかといった観点から、企業の優遇税制の見直しや高所得者への累進課税を強化すべきであり、その上で税の公平な再分配を行うべきであると考えます。また注目される消費税の税率引き上げは、目的税としての間接税のあり方、直接税と間接税のあり方という点で根本的な検証が必要であると考えます。
後段の「森林税」はまったく同感です。きれいな水と空気の源である森林の保全は、森林を保有する自治体の責任ではなく、国の責任で行われるべきだと考えます。とはいえ、長野県が率先して新税で対応していかざるを得ない森林の危機的な状況も眼前に迫る中、「年間500円の負担はやむを得ないなぁ」と思います。しかし、県から県民に十分な情報提供、説明責任が行われているとは言い難い状況があります。税金が本当に有効に使えるのか、間伐を行う人材は果たして確保できるのか、荒れ放題となっている民有林の所有権者の責任をどう位置づけるのか、そもそも12月県議会で審議、4月導入実施のスケジュールで県民理解に十分な時間が保障されているのか、といった疑問が残ります。負担が増加し家計が厳しい昨今、年500円とはいえ、新しい税負担に県民は耐えられるのだろうか、という心配も募ります。改めて「森林税」に対する考え方を明らかにしたいと思いますが、今のところ、6日から始まる県議会から目が離せないといったところです。
■12月議会の論点は?
7日から代表質問、一般質問が行われます。
自治体財政の評価の指標の一つである「実質公債費比率」(借金の度合い)が危険水域の入口である18%を超えた中でいかに財政を健全化させるのか、受益者負担の見直しや指定管理者制度の検証、三輪保育園の民営化、都市内分権の具体化、現在パブリックコメントが実施されている「放課後子どもプラン」の検証、家庭ごみ処理の有料化問題、後期高齢者医療制度の問題、地域福祉活動計画の策定と具体化、中山間地域の活性化などが論点となると思われます。
今議会では本会議での質問を行いませんが(市民ネットとして池田市議が代表で一般質問)、所管する経済文教委員会での審議等にしっかり臨みたいと思います。
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