今日の話題
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■05.08.01市政直行便NO.6
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目次
■「超大型店栄えて”街”滅ぶ」が懸念 相次ぐ大型店の出店問題、焦点の一つに
■6月議会アラカルト…概要及び意見書の採択など
■「議員の海外視察復活に思う」
■「長野市防犯条例」を考える
■市民ネット、鷲沢市政に注文!続投を「支持」
■安茂里で現地調査
■マレットゴルフとバーベキュー交流会開く

■編集後記

「超大型店栄えて”街”滅ぶ」が懸念
相次ぐ大型店の出店問題、焦点のひとつに

■増床含め6社が進出計画、イオンは7㌶の店舗を篠ノ井に
 現在、市が策定した「商業環境形成指針」に基づき、6社が進出の事業計画を提出しています。 中でも注目されるのが篠ノ井東福寺・南長野運動公園北側に出店を計画する「イオン」の計画です。イオンの計画は敷地面積19万平方メートル、店舗面積約7万平方メートルの大規模ショッピングセンター、イオンが経営する「ジャスコ」を中心に専門店150店を誘致、映画館の集合体であるシネマコンプレックスやゲームセンターも設ける構想、駐車台数は約5000台、年商で250億円を見込むともいわれているものです。敷地面積は何と東京ドーム4個分を有します。 新規出店を計画しているのは、イオン(地図
、千葉県千葉市)をはじめ、大豆島地区に「カインズホーム」(地図、群馬県高崎市)と食品スーパー「原信」(地図、新潟県長岡市)が、さらに赤沼に「高見沢」(地図?)、南長池に「ツルヤ」(地図?)が計画。この5社で店舗面積は10万6600平米にのぼります。また「ながの東急」が増床計画を提出しています。(「事業計画届出店舗の一覧」図表は長野市民新聞7月4日付より)

■広域で既存商店街に大打撃、優良農地が減っていく問題も
 「便利になるから大歓迎」「雇用増につながる」との声がある一方、問題もあります。一つは、郊外への超大型店の出店により、既存の商店街や大型店への打撃が大きく、長野市にとどまらず近隣市町村を含め商業環境が大きく変わってしまうこと。二つは、出店予定地のうち南長池を除く4地区が「農業振興地域の整備に関する法律(農振法)」により農業以外の利用ができない農用地区域となっていて、開発のためには農用地を解除する手続きが必要なことから、優良農地が少なくなり農業の衰退を招きかねない問題をはらんでいることなどがあげられます。
 この動きに対し、長野商店会連合会は「1店集中型の超大型店の出店は既存の商店街や大型店に売上減や閉店などの悪影響をもたらす」とし計画に反対を表明、一方、地元の篠ノ井地区には停滞する篠ノ井地区の活性化につながるとし歓迎する声も少なくないようです。また農業の後継者難で遊休地が増えていることも活性化を求める声につながっているようです。まさに市民の声は2分する状況にあります。

■長野市は11月に方針を決定、全国では条例で大型店拡大抑止も
 長野市は、商業環境形成指針に基づき設置する「長野市大型店等出店土地利用委員会」で多方面から総合的に評価し、11月頃には答申を受け市の基本方針を定めるとしています。
 市が昨年秋に定めた「商業環境形成指針」とは、商業施設の適切な誘導と配置を図りバランスの取れた商業環境作りを狙いとして、市内を6エリア、5ゾーンに分けて、地域の特性を活かそうとする商業ビジョンです。庁内の総合調整会議と「土地利用委員会」での審議をハードルとしているものの、直接に大型店の出店を規制する内容とはなっていません。
 全国に目を向けると、例えば金沢市では、長野市と同様「指針」をもつものの、その上位に「金沢市商業環境形成まちづくり条例」を定め、市内7エリア毎に店舗面積の上限を設定、実質的に大型店の郊外進出を防いでいます。商業振興、土地利用の観点からまちづくりを総合的に進める「条例」を制定しているのが特色です。

■少子高齢社会を見据え、身近な“まち中”の活性化を最優先
 さて、長野市はどうするのか。私は、既存の商店街の活性化をいかに図るかをまずしっかりと考えるべきだと思います。これもたやすい事ではありませんが、商業・農業の振興、土地利用を総合的に組み合わせて「まちづくり」を考えていくことが重要です。確かに5店舗の出店で3900人の新しい雇用(出店計画から)が生まれること、また一つの店舗ですべてがまかなえる消費者にとっての利便性というプラス面は歓迎されることでしょうが、1極集中型で「超大型店栄えて“街”滅ぶ」という風になりはしないか強く懸念されます。
 皆さんはどのように考えますか。ご意見をお聞かせください。

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月議会アラカルト
概要◆6月14日から15日間の会期で開かれた6月議会は、2億4800万円余の補正予算案をはじめとする市長提出議案等58件をすべて可決し閉会しました。補正予算の多くは、災害復旧関係で昨年10月の国道19号安庭の地すべりにかかわる市道復旧事業費で1億4800万。他に若穂幼稚園を対象とした幼稚園と保育所の総合施設化を図る国のモデル事業に2500万、精神障害者に対するケアープランに基づく事業で自立生活訓練や作業訓練のための経費260万、消防の地域衛星通信ネットワークの映像デジタル化のための経費4000万などです。◆また、条例では「長野市消防団員等公務災害補償条例」を一部改正し、分団長・副分団長・班長職務経験者の退職報奨金を2千円引き上げるなどの充実を図ることになりました。◆全体的には、鷲沢市政3年半余の評価、超大型店の進出問題、企業誘致、公の施設の管理運営を民間などに委ねる「指定管理者制度」の導入、都市内分権の具体化、子育てを支援する「次世代育成支援行動計画」や「地域福祉計画」の具体化、浅川流域の治水対策などに質問が集中した議会となりました。
意見書では◆私も請願の紹介議員となり採択をめざした「障害者自立支援法案の慎重審議を求める意見書」「米国産牛肉の拙速な輸入再開に反対し、BSEの万全な対策を求める意見書」が全会一致で可決しました。◆「30人規模学級の小・中・高における実現、教職員の増員を求める請願」は賛成少数で否決となってしまいました。30人規模学級は今年度、小学5年生まで実施されましたが、私は来年度の6年生への拡大、さらに中学校、高校での実現が、ひとり一人の児童・生徒にきめ細かく行き届いた授業を進める上で欠かせないことだと考えています。◆その他、「地方議会制度の充実強化に関する意見書」、「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書」など計7つの意見書を採択、政府に要請しました。
決算特別委員会に◆合併4町村の打ち切り決算(16年度4月~12月分)を審議する決算特別委員会に所属、議会後7月中旬までの計4回の審議ですべてを認定しました。合併でもはやなくなっている自治体の決算認定となったわけですが、合併直前での正規職員の中途採用や、国の補助事業となるはいえ、町村で新たに借金をして実施された施設整備事業など、合併をにらんでの「駆け込み事業」と思われるような点も散見されました。今後の長野市全体の事業として、市民の必要度・満足度に照らして検証していく課題が残されていると感じています。
議員の海外視察が復活◆ここ3年、凍結してきた議員の海外視察が議会運営委員会の検討を経て議会費予算に盛り込み、復活実施されることに。6月議会で、ヨーロッパ、アメリカ・カナダに3人の議員派遣を決定。私は「期数別」で慣習となっていた海外視察に異議を唱えてきた一人ですが、派遣議員を見ると結果的に「期数別」通り。これでは「もとの木阿弥」。議員の海外視察そのものは否定していませんが、財政状況や議会派遣のあり方により突っ込んだ検討が必要であると痛感しています。
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「犯罪防止条例」を考える
現在、長野市では「犯罪防止に関する条例」(以下、防犯条例)の検討を進めています。条例案は、市民の防犯意識の高揚と自主的な防犯活動の推進の二つを目的とし、市行政と市民、事業者の責務を定め、役割分担しながら、警察と密接な連携を図り、犯罪のない住みよいまちづくりを実現しようとするもので、12月議会に条例案が提案される予定となっています。「防犯条例」について考えてみました。
■全国、県下でも制定広がる「防犯条例」
 市が昨年度に5000人を対象に行った「まちづくりアンケート」(回答率57.8%)で「最近の犯罪状況」に対して94%の市民が「不安に感じている」と応え、市行政の課題として「犯罪防止の推進」が4位にランク、行政の支援策として「防犯に関する情報の提供」(64%)に次いで「防犯条例の制定」(34%)が選ばれたことなどが条例制定への直接的な背景となっているようです。
 この種の条例は、警察の後押しにより『生活安全条例』と言う形で全国で広がっていますが、賛否両論を呼んでいるのも事実。県下では今年1月現在で113市町村中77市町村が制定しています。
■安全・安心は切実、けれど条例で犯罪を防げるのでしょうか
 虐待や殺人事件が連日発生している中にあって、「安全」「安心」は私たち市民の強い願いであり、まちづくりのキーワードとなっています。地域社会の中で連帯意識を高め、互いに支えあう“絆”を作っていくことは大切なことです。しかし、防犯条例を作ったからといって犯罪がなくなったり減ったりするのでしょうか。既に制定された他自治体では効果をあげているのでしょうか。罰則等を定めない「理念・規範条例」とはいえ、市民に対する強制力が働くことになりはしないのでしょうか。警察と協力することで高められる「防犯意識」とは一体何なのでしょうか。「怪しい人」「不審者」を探しだし警察に通報するという効果を狙ったものになりはしないのでしょうか。そうだとすると相互に監視しあう監視社会を助長することになり、本当の意味での「互いの人権を認め合い支えあう地域の“絆”」を阻害することになってしまいかねません。私はこうした点に根本的な疑問を感じています。
■犯罪の予防は警察の仕事、空き交番の解消、警察官の増員が課題
 警察の責務は「犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持にあたること」(警察法2条)とされています。犯罪の予防は基本的に警察の仕事です。だからこそ拳銃を所持させ強制的な力を執行できるようにしているのです。この役割は行政や市民で肩代わりできるものではありません。
 先ほど県警が調査した「交番の不在実態調査」の内容が明らかとなりました。午前6時から午後6時までの12時間のうち平均不在時間は6時間12分にも上り、事件・事故等が多い長野市など都市部の交番ではほとんどで不在時間7時間以上に及ぶという実態が浮かび上がっています。長野市の先のアンケート調査でも要望の強い「パトロールを強化してほしい」「パトロールに警察官が同行してほしい」との声に応えきれない警察の実態があります。警察官OBによる「交番相談員」制度を活用するとともに、警察官を増員し十分なパトロール体制をつくるとともに空き交番を解消することが犯罪防止への最大の近道ではないでしょうか。
■地域の自主的な防犯活動への支援強化を優先
 今、市内では防犯協会の皆さんによる自主的な防犯活動が展開されています。また、子どもたちの安全を守るため、情報を提供する安心ネットワーク作りも始まっています。地区毎に区長会や防犯協会が中心となって各種団体の皆さんと連携し、子どもたちの安全、お年寄りの安全を守るための自主的な活動を強めていくことが大切です。そのために行政がどんな支援ができるのかを考えるべきです。条例がなくても、防犯パトロールや声かけ運動の強化、防犯灯の設置拡大、小・中学生への防犯ブザーの無償提供、安全情報提供のシステム化など、行政が支援できることはたくさんあるはずです。
 さまざまな障害を持っている人や外国人、コンビニに集まる中学生や高校生に「不審の目」をもって接することになりかねない「条例」って本当に必要なのでしょうか。監視社会を助長することになりませんか…。 皆さんのご意見、お待ちしています。
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安茂里で現地調査
5月27日、30日に区長会や市の皆さんと安茂里地区内の現地調査を実施。110箇所余りを調査。写真は犀北団地の歩道改良と小路の通学路の安全確保に関するもの。厳しい財政状況ですが要望の実現に向けて頑張ります。
マレットとバーベキュー交流会
 7月9日、犀川第一グランドでマレットゴルフとバーベキュー交流会。好天に恵まれ70人の皆さんと楽しい時間を過ごしました。秋にも開催をとの声も。しっかり練習しなければ…。詳しい模様は写真報告で。
編集後記

◆少雨に悩まされた梅雨が明け、夏本番。干ばつ被害は深刻、しかし災害に至らず一安心◆被爆60年・戦後60年の節目の夏。ノーモア・ヒロシマ、ノーモアー・ナガサキの声とともに「ノーモアー・ウォー」…戦争を二度と起こさない誓いを新たに◆8月15日正午に「平和の鐘」を撞く取組を呼びかけ、安茂里では阿弥陀寺・称名寺・無常院のご住職に快く引き受けていただきました。11時半集合です◆「静かな時限爆弾」とされるアスベスト(石綿)被害が深刻に。市内でも石綿を使った工場及び周辺地域の検証、学校や公的施設での除去状況の再調査が必要◆猛暑をはねのけ健康第一で頑張りたいもの。皆さんもご自愛を(布)



安茂里支所の一角に設置されている野外彫刻。
「記念撮影-夏・安茂里-」 作者=峯田敏郎さん

今年度の長野市野外彫刻賞を受賞した作品です。
像の周りにはさわやかな風が…

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