12月6日から会期18日間で始まった議会は24日、議会は市が提出した補正予算案や合併に伴う条例案(新規・改廃を含めて)に加え、最終日に提出された災害復旧のための補正予算案など、すべての議案を可決し閉会しました。
●いよいよ合併へカウントダウン、過疎山間地対策が大きな課題
合併に伴い多くの条例が制定・改廃され、いよいよ年明け1月1日に「新長野市」が誕生します。合併により266人の職員が長野市職員に、また現在の26の支所に加え旧4町村の役場に新たに支所が設置されることになります。学校も小学校6校、中学校4校が増えることに。
「粛々」と進んだ長野市の合併ですが、市と町村の住民サービスの格差の是正など課題は山積です。合併にあたっては「サービスは高いほうに、負担は低いほうに」との視点で問題提起をしてきましたが、「相当の財政負担が伴う」(市長答弁)ことから、合併町村のサービス水準が低くなるという問題が発生しています。例えば、大岡村の保育料は若者の定住対策の一環で長野市の3分の1程度に低く設定されていますが、3年間の経過措置を設け市の水準に引き上げることになります。「当面、現状維持」として市との格差是正が先送りされているサービスもたくさんありますが、合併地域の住民に皆さんにとってみるとサービスの低下・負担の増加が重くのしかかることになります。確かに財政負担の問題は避けて通れませんし、市民全体に対する公平なサービスという観点からも「見直し」は必要となりますが、過疎地・山間地において住民の生活維持のために実施されてきた高いサービスが削り取られ、結果として過疎を増幅させてしまいかねないところに、「平成の大合併」の問題点があると考えています。
山間地の住民の生活をどのように応援していくのか、旧長野市民にとっても大きな課題となります。
●災害復旧に16億円余を追加補正、一日も早い復旧が待たれます
大きな被害をもたらした台風23号による道路、河川、農林、公園、体育施設等の災害復旧費として、総額16億3600万円を追加補正しました。合併4町村分を含むもので、積雪の時期を向かえ復旧工事は大変ですが、一日も早い復旧が求められます。
また、流木など台風水害で千曲川敷地内の農地に堆積したものを除去するため、緊急地域雇用創出特別交付金(国から県を通じて交付)530万を活用することになりました。シルバー人材センターを通して雇用することになりますが、20人位の臨時雇用にとどまるとのこと。厳しい雇用情勢のもと、災害復旧で新しい雇用を積極的に作っていくことも課題です。
●教育基本法の理念を生かす請願は否決に
「教育基本法を変えるのではなく法の理念を生かすことを求める」請願は、賛成少数で残念ながら否決されました。今、教育基本法の改正問題が急速にクローズアップされ、政府与党により推し進められようとしています。「たくましい日本人の育成」をキーワードに、新たに「公共の精神」「国を愛する心」「伝統・文化の尊重」などの理念を加えようとするものです。社会状況が変化する中で重視すべき理念も変わってきた、というのが改正の理由とされています。
そもそも、教育基本法は行き過ぎた国家主義、全体主義の結果、戦争に突っ走った戦前の体制を反省し、国民一人ひとりの「個」を重視する目的で制定され、日本国憲法とセットで、日本の平和主義を支えてきました。「改正」の狙いは、戦後民主主義の行き過ぎを是正するという考え方を背景に、「個」から「公」に教育の重心を変えていくことにあります。結果、「個人の価値」や「自発的精神」が大きく後退することになります。
しかし、果たしてそうでしょうか。いじめや不登校、さらには犯罪の低年齢化といった少年問題をみると、むしろ「個」の尊厳が大きく損なわれている現状があると思うのです。子どもたちの発するSOSをくみ取れない状況こそに問題の根っこがあるのではないでしょうか。つまりは、教育基本法でうたう「個人の尊重を重んじ、真理と平和を追求する人間の形成…」が不十分であることの表れとして少年問題が起きているのではないでしょうか。いじめや不登校など教育問題の解決を求める声は切実です。でも教育基本法の理念を変えればいじめや不登校の問題が解決するわけではなく、基本法に欠陥があるから現在の教育荒廃があるわけでもありません。
「国を愛する心」が強調されるところに、憲法第9条の改悪と機を一にした狙いがあると見るのは私一人ではありません。「たくましい日本人の育成」は「国に忠誠を誓い、国際競争に打ち勝つ人材づくり」に他なりません。国家、社会を持ち出して枠にはめるより、現行の教育基本法が求めるように、まず個の確立を目指すことが大切であると考えています。
●小学校5年生・6年生に35人学級を段階的に実現する請願が全会一致で採択
●経済文教委員会、中心市街地3小学校の統廃合問題で集中審議
●安茂里・松ヶ丘小学校裏山崩落出で伸縮計など監視体制が強化
台風23号により松ヶ丘小学校の裏山が崩落した災害に対しては、土のう積み等の応急措置が施されてきましたが、本格的な対策工事が完了するまでの間、小学校や付近住民の安全を図るために、崩落現場に伸縮計と雨量計が設置され、監視体制が強化されました。監視システムが作動した場合には、消防などが急行し緊急対応することになります。
また、松ヶ丘小学校体育館の耐震補強工事は来年度実施される予定です。
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