今日の話題
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■04.10.12市政直行便NO.3
トップページに戻る 市政直行便に戻る 05.02.10直行便NO.4へ
目次
議員1年目のあいさつ
9月議会の概要
前立腺がん検診の導入を提案
防災訓練の徹底を、原子力災害の備えも
ごみ問題を考える
合併問題を考える
沖縄の米軍機墜落事故に抗議する意見書が否決に!
幻の意見書?
編集後記

市議会議員1年…「市民の目線で」をモットーに市民が主役の市政めざす
 夜ともなるとひとしお秋を感じさせるこの頃、皆様にはいよいよご健勝でお過ごしのこととお喜び申し上げます。

 さて、皆様の大きなご支援によりまして長野市議会で活動する機会を与えていただき、ちょうど1年を迎えました。改めて心から感謝申し上げます。合併を目前にして、都市内分権の具体化、中心市街地小学校の統廃合問題、ごみ焼却場建設問題、バスを中心とする公共交通網の整備、保育園の民営化、雇用の確保と医療・福祉の充実など課題が山積する中、この9月議会におきましても、本会議で3回目となる一般個人質問を行い、市民が主役となる市政の実現に向けて取り組んでいるところです。私のテーマの一つである、より開かれた議会への改革はまだ道半ばです。
 市議会議員1年を機に改めて、住み続けたい長野市をめざし、「市民の目線にたってチェックと提案」をモットーに、長野市全体のことを考え、地域の代表として活動していくことを肝に銘じ、市政に臨んでいきたいと思います。より一層の叱正、ご意見ご要望をお願いいたします。(写真は9月議会・一般質問)

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9月議会、18億4千5百万の補正予算などを可決
新しく公害防止条例を制定、三回目の一般質問も
 9月6日から22日まで開会された《9月定例議会》は、総額18億4200万円の一般会計補正予算案や、市が旧カネボウ跡地に分譲造成した「若里工業団地」の地中に廃棄物が埋まっていたため地盤沈下が起きたとして、廃棄物撤去などの費用4500万円の支払いを求める損害賠償訴訟を起こす議案など、市側が提出した13議案すべてを、原案通り可決しました。補正予算はJR長野駅周辺の土地区画整理事業に伴う建物移転補償費用5億1900万円や中山間地生活道路の整備のための道路改良費、来年1月1日にスタートする合併に伴う事務経費が主な内容です。また、市環境基本条例のもとに「規制基準」を定めた公害防止条例を新しく制定しました。
 《国に意見反映する意見書案》では、「地方分権推進のための『国庫補助負担金改革案』の実現を求める意見書」「郵政民営化の慎重審議に関する意見書」の2件を可決、「沖縄米軍機事故に抗議するとともに、普天間基地の早期返還、日米地位協定の抜本改定を求める意見書」「自衛隊のイラク多国籍軍から離脱することを求める意見書」「美浜原発事故に関する意見書」は、残念ながら賛成少数で否決されました。
 私は、この議会で3回目の本会議一般質問に立つとともに、沖縄の米軍機事故に関して普天間基地の早期返還等を求める意見書の採択にあたり、「否決」とする総務委員会報告に対し、反対討論を行いました。
 《9月議会では人事》が議案となり、新しい副議長を選任するとともに、常任委員会・特別委員会の新しい所属を決めました。私は、経済文教委員会と中心市街地活性化対策特別委員会、議会報編集委員会に所属、農業共済事務組合議会議員には引き続き就きました。
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市民健康診断の充実を、前立腺がん検診の導入を提案
■急増する男性特有のがん・前立腺がん
 今年4月発表の厚生労働省「都道府県別死因の分析結果」によると、長野県の特徴は「男性は脳血管疾患、前立腺がんが多く、女性は脳血管疾患が多い」とされています。日本人のがんでは、胃がんや子宮頸がんなどが減り、変わって肺がん、大腸がん、乳がんなどが増加、これに加えて、今ダントツの伸び率で増えているのが男性特有のがん、前立腺がんだとされています。アメリカでは既に10年ほど前から男性のがんの中で最も高い発生率となっています。日本でも急増しており、前立腺がんによる死亡者数は2015年には2000年の2倍以上、95年の約3倍になると推定され、すべてのがんの中で最も増え方の激しいがんだとされています。前立腺がんの治療を効果的に行うためには、症状が出る前にがんを発見することが大切で、そのためには検診などで定期的に「PSA検査(前立腺特異抗原検査)」という血液検査を受けることが最も近道だと専門家から指摘されています。
*グラフは「前立腺がん死亡者数の将来推計・95年までは実測値」黒岩哲生:第11回前立腺シンポジウム、東京1995年より)
■県内18市のうち半数で実施済み
 長野市の男性のがん死亡者数492人のうち、前立腺がんで亡くなった人は24人(H14年調査)、約4.9%です。絶対数では少ないのかもしれませんが、これから増えていくことは間違いありません。早期発見・治療により、この数をもっと減らすことが可能となります。
 こうしたことから、市のがん検診のメニューに、女性特有のがんの検診に加え、男性特有のがん検診として、前立腺がん「PSA検査」を導入することを提案しました。全国の中核市35市のうち16市が、県内18市においても9市が実施、半数近くで実施されています。それぞれ基本検診やがん検診との同時受診方式で、横須賀市では50歳以上の市民を対象に700円の自己負担で、伊勢崎市では50歳から84歳までの市民で全額公費負担で、高松市では40歳以上の市民で1200円の自己負担で実施され、また福岡市でも実施されています。受診率は25.5%から33.4%と高いものとなっています。
■市…「対象年齢や自己負担等を精査し実施に向けて検討へ」
 保健福祉部長は、「前立腺がんの検診は、現時点では大腸がん検診やマンモグラフィ検診などと比べて総合評価は低いものの、他市の実施状況を踏まえ、対象年齢(40歳以上とするか、50歳以上とするか)、自己負担の額や委託方法等を検討し、実施に向けて取り組みたい」との姿勢を示しました。この質問をして程なく、市民病院に前立腺がんの治療のために「小線源治療」を導入したとの報道がされました。甲信越では初めてとのことです。先進的な予防と治療がセットとなって、効果がより発揮されます。前立腺がん検診の早期実施に向けて取り組みを強めたいと思います。
■「予防に勝る医療はなし」…市民健康診断・がん検診の受診を
 がん及び心臓や脳血管疾患、高血圧、糖尿病など、いわゆる生活習慣病で死亡した市民の割合は、H14年で総死亡者数に対し63.6%を占めています。全国で比較すると人口10万人当たりで約555人、全国平均の約473人を上回り14位という位置です。生活習慣病の早期発見・早期治療に向けては、市民健康診査と各種がん検診・集団検診が大きく貢献してきています。まさに「予防に勝る医療はなし」との言葉通り、今日、市民健康診断とがん検診をより一層拡充し、市民の健康増進を図ることが求められています。
長野市の市民健康診断の受診状況を見ると、一般健康診査の受診者数は昨年度で52,989人と5年間で8000人増、絶対数では増加しているものの、受診率では47%台、横ばいで推移しています。また、がん検診では、乳がんをのぞき、胃がん・子宮ガン・肺がんでは受診者数・受診率ともに減少してきています。大腸がんでは受診者数では増減しつつも、受診率では5年前に比べ2.3ポイント減の24.5%となっています。受診率の分母となる対象者が増加したこと、「人間ドック」の利用者の増大等が要因となっているようです。市は今年度から、市民全世帯に小冊子「各種検診のご案内」を配布し受診率アップを図っているとのことです。

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防災訓練の徹底図るとともに、美浜原発事故を教訓に原子力災害の備えを

■訓練実施は50.3%
 新潟県や福井県での水害被害の生々しい記憶が残る中で、防災訓練が実施されました。市の防災訓練は、今年から地域の防災力の向上、防災リーダーの育成を目的とした市民防災訓練として、408の区のうち403の区で459の自主防災会を中心にきめ細かく実施することとされました。計画について問うたところ、9月中の訓練実施は231組織、50.3%の実施状況にとどまっているとのこと、「年内中にすべての地域での実施を図りたい」としています。洪水ハザードマップ等が全世帯に配布された折でもあることから、避難先の徹底をはじめ、消防団と連携しながら区民総参加の訓練をめざしたいものです。
■市内に原発こそないけれど…
 8月9日に発生した福井県・関西電力美浜原発の配管破断事故は、11人の死傷者を出す大惨事となりました。今回の事故は、原発そのものの老朽化の問題、27年間、一度も点検・検査がなされていなかったという安全面での問題、いずれもずさんな安全管理のもとに原発が稼動している極めて危うい現実を改めて突きつけました。県内・市内に原発こそありませんが、新潟県の柏崎・刈羽原発から長野県境まで約40km、長野市まで直線で100km、いったん大事故が生じれば、その被害は確実に県内・市内にまでおよぶことは明白です。市内にも、放射性物質を扱う事業所が存在し、また高速道路の四車線化に伴い、原発の核燃料の輸送対象になるかもしれない危険があります。原発の事故にいかに備えるかという問題は、原発の立地如何にかかわらず、問われていると考え、原子力災害対策の窓口明確化や情報収集の体制確立など長野市地域防災計画の中に原子力災害対策を盛り込むよう求めました。
■県は「原子力防災対策の指針」まとめる
 1999年9月の東海村JCO臨界事故を受けた、国の法改正によって、原発の立地地域に限らず、核物質の貯蔵、加工、廃棄施設や輸送過程が防災対策に追加され、都道府県は「地域防災計画」を改定することとなりました。例えば、最も近い原発からでも約40キロ離れている兵庫県が原子力防災計画を策定、放射性物質の事業所外運搬災害、放射性同位元素取扱事業所災害、放射性物質不法投棄に加え、県外の原子力災害などの4ケースを想定し対応しています。また原子力関連施設がない埼玉県では、独自に「放射性物質事故災害対策」を県地域防災計画に盛り込み、長野県でも防災計画に盛り込まないまでも「原子力防災対策の指針」をまとめ、市町村に示し対応をすすめています。

■原子力防災対策は県と協議
 総務部長は、災害対策基本法42条で市の計画が「県の地域防災計画と抵触してはならない」と定められていることから、県と市が相互に有機的に作用できるよう「原子力災害対策を市独自で地域防災計画に盛り込むことについて県と協議する」方向を示しました。避難をはじめとする防災の基本は市町村にあります。長野市が防災先進モデルとなることを切に願いながら、今後の動向を見据えたいと思います。

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ごみ問題特集…分別の細分化、学校拠点に生ごみ堆肥化事業を、
          市民が納得できる焼却場建設選定を
 7月に所属する会派・市民ネットで北海道富良野市や旭川市のごみ行政を視察したこと、4月からプラスチック分別が始まったこと、さらに広域連合で進められる新しいごみ焼却場の建設地の検討が「粛々」と進んでいることなどから、9月議会でもごみ問題を取り上げました。一つは分別の更なる徹底と資源化の計画・目標について、二つは生ごみ堆肥化の学校区単位のモデル事業の実施、三つはごみ焼却施設の建設にかかわる課題と対策です。

「当面、現行の7分別14種別を維持、プラ分別の定着徹底を図る」

 ごみ問題の究極の目標は「燃やさない・埋めない」すなわち「ごみを出さないこと」「ごみとしないこと」にあります。そのためには企業に対する拡大生産者責任が貫かれなければ無理です。とはいえ、理念・目標を「絵に書いたもち」にしないために、ごみの発生抑制を段階的に進めていくしかありません。例えば、7月に市民ネットで行政視察した富良野市では、「燃やさない、埋めない」を基本理念に資源化率99%を目標に、現在14種分別を実施、93%の資源化率となっているとのことです。分別の徹底と生ごみの堆肥化、可燃ごみの固形燃料化によって達成されているものです。因みに長野市の資源化率は20.7%。富良野市が人口2万5千人規模、年間3千トンのごみだからできるということなのでしょうか。大都市である名古屋市では8種区分、資源化率31.9%という取り組みになっています。長野市においても現行7分別となっている分別の更なる細分化、リサイクル・資源化の徹底が求められていると考えます。大変ことですが、段階的な計画・見通しを策定すべきと提案しました。

旭川市の「地域型生ごみ堆肥化モデル事業」を参考に

 行政視察した中核市・旭川市で行われている「地域型生ごみ堆肥化モデル事業」の特徴は、小学校を拠点としてモデル校に「生ごみ高速発酵処理機」(50キロ/日)を設置、町内会に生ごみポストとして小型生ごみ処理機(20キロ/日・2台)を設置、給食の生ごみ、家庭からの生ごみを学校に集め堆肥化している点です。堆肥は学校や市民菜園で活用されます。事業費は年間300万円、5年計画の事業となっています。2年後に見直すとのこと。全市で展開すると50億円と試算され、なかなか大変な事業になるとの話もありましたが、長野市においても「行政区」あるいは「学校区」を単位に学校を拠点としたモデル事業として展開していく道も十分検討に値します。事業の検討を求めましたが、「設置場所の確保や維持管理等の課題」があることから、他市の事例を参考に研究するという姿勢に残念ながらとどまりました。
*写真は7月市民ネット4人で行政視察、北海道北見市役所にて。この後旭川市へ

粛々と?進む、広域連合ごみ焼却場建設地の検討…納得できる方法で選考を

 長野広域連合が計画する新しいごみ焼却施設の市内建設地の検討委員会が開かれ、審議が進んでいます。8月・9月に行われた2回の委員会を傍聴しました。候補地域についてはまずは「エリア選定」とし、法定規制地域を除外し、30エリアから18エリアに絞込み、今後「評価指標」に基づきさらに絞り込んでいくとのことです。建設地には最低2ヘクタール必要であり、候補のエリア内には約80箇所の建設可能な空き地が存在するとの報告がされています。地域を絞り込む「エリア選定」の手法ですが、余りにも選定されているエリアが広いと率直に思いました。500メートル・メッシュ(網)方法の採用をとの意見もありましたが、多数とならずに議論が進んでいます。9月の委員会では確かにエリアの面積の見直し・再区分が進められましたが、エリアで選考していく手法について荒っぽさを禁じえません。建設候補地を絞り込んでいく過程においても合理的根拠、納得できる手法がとられないと、十分な住民合意を得ることができなくなることを懸念します。今後、いわゆるピンポイントで建設地2ヘクタール分の箇所を選定していくことを考えればなおさらです。検討委員会では疑問を呈する意見が出されていますが、これまた多数とはなっていません。市民に情報公開し、納得できる方法での選考を求めましたが、今後の成り行きについてしっかり注目し、課題と対策を整理し提唱していきたいと考えます。

計画の灰溶融炉施設、安全性の確認徹底を

また、焼却溶融方式は「ストーカ式焼却+灰溶融方式」とし検討が進められています。検討委員会の視察地もすべてこの方式の施設で行われました。しかし、7月には静岡市の焼却場における灰溶融炉(長野市で建設を予定するものと同様の施設)で火災事故が発生し、施設の安全性が問われることとなりました。深刻に受け止める必要があります。現在、事故原因の究明が進められていますが、事故原因の解明及び安全性の確認のうえに立って、長野市の施設の焼却溶融方式についての慎重にも慎重を期した再検討の必要性を訴えました。

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来年1月1日「新長野市」スタート、広大な森林山間地、中核市の「辺境」としない合併へ
 1町3村と合併する新長野市は来年1月1日にスタート、いよいよ大詰めの段階を迎えています。総務委員会で合併する4町村を視察した折に痛感したことは、とにかく「広い」ということ、町村の庁舎がいずれも築まもなく立派なことです。同時に豊かな自然が新しい財産となるとはいえ、厳しい財政状況のもとで山間地の皆さんの暮らしの安定・向上を図り続けることは大変なことだとつくづく感じました。
合併で重い負担も

新市の財政計画で10年間分の試算がされました。10年間で1兆3、249億円の財政計画といわれても市民にはぴんと来ません。例えば豊野町土地開発公社の事例に見られる「売れ残る土地」に象徴されるような負の財産の引継もあり、重い負担となる現実があります。本来引き継がれるべき貯金が10億円近く減って引き継がれるという事態も生んでいます。また、有利な起債とはいえ、借金となる合併特例債を291億円使う見込みともなっている計画です。「三位一体改革」のもとで、国庫補助金の削減、地方財政計画の見直し、地方交付税の起算となる基準財政需要額の算定根拠の見直しなどが指摘される中で、本当に大丈夫なのだろうかと懸念されます。市は「市民に新しい負担は生じない」と強調していますが、であればなおさらのこと、厳しい財政状況を見据え、かつ市民の必要度・満足度にてらして、新市のまちづくりの計画、財政計画について厳しくチェックするとともに、事業を厳選していくことが問われてきます。

合併建設計画は事前・事後の行政評価を行い見直し進める
 そこで、駆け込み事業を懸念する声もある中、決定されている「合併建設計画」の事業が、当面それぞれの町村の基本計画や諸施策をまとめたものにならざるをえないことから、事前・中間・事後の行政評価をしっかり行い市民の目線で事業の見直しを図っていくべきと正しました。また、「サービスは高いほうに、負担は低いほうに」を基本に事業のすりあわせが進められてきていますが、例えば村営バスの維持など「当面現行どおり、合併後に見直し」とする事業が多くある点に関して、住民参加を保障し、負担の増大や不便にならないように見直すことを求めました。
一体感あるまちづくりを、「第四次総合基本計画」を策定へ
 さらに、合併する5市町村が新長野市として一体感を持った「多軸都市」として発展していくためにも、一体感を持ちえる基本計画・まちづくりのグランドデザインづくりが必要であることから、新市になることによって「長期計画」の見直しを早期に図るべきとの提案も行いました。
 市長は、①合併建設計画を進めるにあたっては必要性、妥当性を吟味し事前・事後の行政評価を実施しながら事業を進める ②住民サービスの急激な変化を緩和するため、合併後に見直すとした事業は、効果等を見極め、合併町村に作る「地域審議会」を通して見直しを進める ③新市のまちづくりのコンセプトは「都市と自然が共存する美しいまち」にある。それぞれの地域の特性・魅力を生かした活力ある「多軸型の都市」をめざしたい。そのために「第四次長野市総合計画」を来年度から策定作業に着手、H19年度からスタートさせたいと考え方を示しました。
合併町村で都市内分権のモデル実施を
 合併に伴う、まちづくりの受け皿となる地域自治組織のあり方について、市長の諮問機関である「地域審議会」方式をとることになりました。この地域審議会が、旧町村の住民が、本当の意味で自らのまちづくりを考え検証するテーブルになっていくことを願っていますが、一方で都市内分権のあり方が調査研究され11月には最終報告がまとめられることになっており、これらの兼ね合いは不透明さをぬぐえません。新たに発足する支所の権能、地域審議会と行政連絡区との位置づけ、都市内分権でいう「住民自治協議会」との位置づけも然りです。
 合併のスタート地点から合併の10年先、20年先を見越して、地域住民自治、地域コミュニティの拠点となる足がかりをしっかり作り、住民自治を育て、地域の自立と活性化を進めていきたいとの想いから、それぞれの位置づけの明確化、都市内分権の先行モデル実施を求めました。
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「沖縄での米軍機墜落事故関連の意見書」否決に!
81%の沖縄県民が「政府の対応は評価しない」としているのに…

 「米軍機墜落事故に抗議し、普天間基地の早期返還、日米地位協定の抜本改定を求める意見書」採択を求めて長野地区護憲連合(代表=竹内久幸)から提出された請願には、私も紹介議員となり取り組みましたが、本会議で賛成10人(賛成は市民ネットと共産党市議団)、反対31人で否決されてしまいました。この問題では、否決とする総務委員長報告に対し「反対討論」をしました。
 
 戦後60年を経ようとしている現在もなお、国土面積のわずか0.6%に過ぎない狭い沖縄県に、日本全体の米軍基地・施設の約75%が集中しています。米軍基地は、沖縄の県土面積の約11%を占め、とりわけ人口や産業の集積する沖縄本島では約19%を占めています。米軍基地があるため、沖縄県民は、米軍による事件や事故、戦闘機などの爆音公害に苦しめられ、ときには生命さえも奪われてきました。
 今度の事故で、改めて沖縄の住民の恐怖の声を聞くとき、討論で市議会全体に理解を求めたかったことは、沖縄県民の怒りを共有したい、日常の危険を取り除くために、当たり前の安全を沖縄県民が享受できるよう、本土にいる私たちもしっかり声をあげたいということでした。
 事故から一ヶ月たって行われた沖縄タイムスの県民世論調査では、沖縄の米軍基地の整理縮小について、81%の県民が「政府の対応を評価しない」と答えています。名護市への基地移設にも81%が反対し、賛成は10%にとどまっています。沖縄県民は、名護市・辺野古沖への移設が、豊かな海の破壊と基地被害の分散にあることを見通しているのです。

「私たちは世界の人々へ訴える/一切の核兵器とあらゆる戦争をなくし/武器にかえて対話を/そして 愛と信頼で/地球を平和に満ちたみどりの星にしよう」…これは「非核・沖縄平和宣言」の中の一文です。沖縄県民と心をひとつにし、ぐずぐずしている政府を動かしていきたいと願い、全文を紹介し討論を締めくくりましたが、残念ながら結果は変わらず。粘り強く、自治体から平和を希求し続けたいです。

 他に提出された「自衛隊のイラク多国籍軍からの離脱を求める意見書案」、「美浜原発の配管破断事故に関する意見書案」も同様に賛成少数で否決されました。内容について、もっと深い検討がされれば、対応が違ったのでは?と思いつつも、「数の力」には残念無念の一言に尽きます。ひるまずに頑張らねば!

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「義務教育費国庫補助負担金制度の堅持を求める意見書案」
市民ネットで提案するも「幻」に…。

地方分権を推進する「三位一体改革」の中で、義務教育費国庫補助負担金制度の見直しが一つの焦点となっています。地方6団体による三位一体改革の提案で、税源の移譲の担保、地方交付税の確保を前提としつつ、義務教育費国庫補助負担金の廃止を打ち出したことが、こうした動きに拍車をかけているからです。
 憲法で保障された義務教育は、子どもたち一人ひとりが確かな学力や生きる力を身につけ、社会人となるためのセーフティネット。全国のどこに住んでいても、子どもたちが等しく良質な教育を受けられるようにするために、義務教育費国庫補助負担金制度がつくられました。この制度によって、全国のどの地域の学校にも必要な教職員が確保され、きめ細か指導が行われてきたのです。

 仮に義務教育国庫負担金が一般財源化され必要な財源が確保できなければ、大都市と地方における教育水準の格差が拡大し、等しく教育を受ける権利が奪われてしまうことが懸念されます。
 こうした観点から、市民ネットで相談し、意見書案を作成して採択に向けて取り組んだのですが、手続きとして議長に「案」を事前に提出しなかったことから、審議した経済文教委員会では否決に、正規の議案とならずに本会議にも報告されないことに…。残念ながら「幻の取り組み」となってしまいました。議事運営上のルールを周知していなかったことが原因、良い勉強になりました。なお、今議会で採択された意見書は2件、1ページに記載の通りです。

編集後記
■直近で心に残った本を紹介します。ノンフィクション絵本「戦争のつくりかた」(マガジンハウス・630円)です。逆説的なタイトルですが、「私たちは、未来をつくりだすことができます。戦争しない方法を、えらびとることも。」で結ばれる、この絵本は、今の日本社会への警鐘です。ぜひご一読を。■昨年9月の初当選以来、あっという間の1年。市の議員駐車場の係員さんにもようやく「顔」を覚えてもらいました。振り返れば、議員としてできていないことばかりが頭をめぐります。反省だけならサルでもできる、行動あるのみです。この9月は、地区の敬老会や運動会にご案内いただき、地域の元気なお年寄りや子どもたちの笑顔に励まされました。ご案内いただく地域の行事には欠かさず参加しているつもりですが、地域の課題には、率直にいってまだまだ追いついていません。地域主権の時代、地域のつながりを大切にしながら、2年目に突入します。■市政直行便へのご意見もよろしく。(布)
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