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04年9月14日記
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4ヶ月未満の中絶胎児はごみ?

 このページは久々の更新です。
 横浜市の産婦人科医院が妊娠12週(4ヶ月)以上の中絶胎児を「一般ごみ」として捨てていたというショッキングなニュースは、記憶に新しいところです。妊娠12週以上の中絶された胎児の手足を切断し、一般ごみとして捨てているという情報が市に寄せられたのが調査のきっかけでした。
 この事件を契機に、このほど厚生労働省と環境省が合同で、47都道府県と保健所をもつ57市を対象に調査を行い、その結果が9月8日の朝日新聞で報じられました。この調査で、妊娠12週未満、4ヶ月未満の中絶胎児が、都道府県の半数近くで、病院から出される感染性廃棄物として、すなわち「ごみ」として扱われている実態が、明らかになりました。
 保健所がある長野市も調査対象となったことから、長野市の対応や県の対応を確認したところ、県では、須坂・木曽の長野県立病院では感染性廃棄物として取り扱っているとのこと、長野市においても実態調査はしていないが「感染性廃棄物として取り扱われていると思われる。病院からの廃棄物は密閉し民間処理業者が民間の焼却施設で処理するため、今のところ確認はできない。違法な行為ではないけれど、倫理的には課題が残る」とのことでした。
 北海道では「胞衣及び産わい物処理条例」によって、中絶胎児はすべて火葬にふされています。
 墓地・埋葬法では、12週以上の中絶胎児は死体として扱われ、火葬することになっています。確かに4ヶ月未満の中絶胎児の場合は法的な定めがありません。H14年度の市内産婦人科の病院における人工妊娠中絶の件数は1649件、内12週未満のものは1558件、94.5%に上ります。
 胎児についてどの段階から生命と見るかは議論があり、また、中絶にはいろいろな背景がありますが、4ヶ月未満の中絶胎児がごみとして取り扱われている実態には、大変切ない、人道的に忍びないものがあります。生命が軽んじられる風潮が広がるだけに、社会通念、命の尊厳という観点から、北海道の事例を参考にしながら「火葬にふす」ような適切な取扱を定めることが必要なのではないでしょうか。病院、廃棄物処理業者の理解を得ながら、対応策が講じられるよう取り組むつもりです。
 この問題について、この9月議会の一般質問で、「再質問」の際に「要望」として問題提起しました。市行政の今後の取り組みはまだわかりませんが、厚生労働省や環境省では「中絶胎児をごみとして扱うのは社会通念上問題がある」とし対処方法を検討するとしていることからも、引き続き取り上げていきたいと考えています。皆さんはどう思われますか。
 [参考]朝日新聞の記事 http://www.asahi.com/national/update/0908/002.html
      Yahooの「中絶胎児廃棄問題」トピックhttp://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/isezaki_abortion_problem/

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