下伊那郡の平谷村では全国で初めて中学生も含めた合併の是非を問う住民投票が行われました。中学生以上に意見を求めた点は画期的です。結果、「合併」を求めた村民は74%、しかし、どこと合併するのかが決まっていない段階での投票では、村民の皆さんも戸惑いを隠せないのではないでしょうか。長野市でも、近隣の豊野町、大岡村、戸隠村、鬼無里村から合併がもちかけられ、「任意協議会」が設立され調査研究が始まっています。調査研究とはいえ「合併」の方向で議論が進んでいることは事実。国が財政的な優遇措置をぶら下げて合併を誘導しているからです。しかも、国は小さな市町村は切り捨てざるを得ないとまで言い始めているのですから、自治体にとってはまさに死活問題となってきています。厳しい財政問題をはじめ、小さな町村が自立の道を探り一人立ちしていくことは大変なことです。しかし、合併したとしても優遇措置は10年間だけ、問題の先送りにしかなりません。ですから、栄村や小布施町のように、厳しいけれど自立の道を探ろうとする自治体が出てきているわけです。
当の長野市にとって見ると、合併すればより大きな都市となりますが、「大きくなること」イコール「よいこと」とは一概にいえないと思います。今までのそれぞれの自治体が工夫を凝らしてきた住民サービスは本当に維持できるのでしょうか。「周辺部」が広がるだけになりはしないでしょうか。財政的に新たな負担が求められることにならないのでしょうか。
合併すると何がどのように変わるのか、情報が知らされ、住民である私たち一人一人が納得して決めることが何よりも大切です。自分たちの「まち」づくりを決めるのは自分たちですから。「小さくても輝く農山村自治体を目指したい」との栄村村長の言葉が心に残ります。
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