4月16日(土)に、陸上自衛隊松本駐屯地で市民を対象とした「創設66周年自衛隊祭」が開かれます。
県護憲連合では、従前より、「自衛隊祭」は軍備増強の風潮をあおるものであり、あくまでも自衛隊組織内部における式典とし、武器・兵器の展示、操作の教示、模擬戦闘訓練の展示等について、社会的見地、教育的見地からこれらを中止するよう駐屯地に申し入れてきました。
また、県行政ならびに県教育委員会に対して、実態調査等を実施し、自衛隊に対して是正等を勧告するよう求めるとともに、「軍隊」としての活動を披露する「自衛隊祭」の問題の重大さに鑑み、県知事等が出席されないよう求めてきています。
今年の式典は、戦闘行為を再現する「模擬戦闘訓練展示」をはじめ、武器・銃器の展示、軍用車の試乗などが従前どおり準備されています。
安保関連法が施行される中で、集団的自衛権の行使、駆けつけ警護を新たな任務とするPKO活動を前提とした戦争・戦闘行為能力、「戦う自衛隊」をより一層誇示するものになっていくことが極めて憂慮されます。
そうした中、11日には松本駐屯地に対し、12日には長野県知事あて、申し入れを行いました。
県への申し入れでは、対応した危機管理監が「自衛隊にはいろいろな側面があるが、招かれた立場であり、災害時における連携関係を重視し、災害派遣に対する感謝を申し上げたい。当日は知事は不参加、代理で太田副知事及び危機管理監が出席する」と述べました。
知事の不参加は、あくまでも「公務日程の調整がつかず」ということです。
因みに、地元の松本市長は「模擬戦闘訓練が行われることから出席しない。代理が出席とする」との対応です。
行事内容については「国の専権事項であり、申し上げる立場にない」と従来の姿勢を示すにとどまりました。
また、安保関連法の施行により、武力攻撃事態等に対応するための国民保護計画の根拠法が変わったため、整合をとるよう消防庁国民保護室から通知があったこと明らかにしました。
安保関連法施行に伴う政令・省令の通知はこれからですから、県行政としての具体的な対応は、これからという状況のようです。
これはこれで要チェックです。
県教育委員会からは同席がかないませんでしたが、中学生の駐屯地職場体験において「ほふく前進」などの戦闘行為訓練が実施されていた問題について、松本市教育委員会の「駐屯地に、戦闘訓練を想起させる体験内容とならないよう見直しを要望していく」とした対応も参考に、県教委として対応を図るよう申し伝えることを強く求めました。
11日の駐屯地に対する申し入れでは、広報班長が「模擬戦闘訓練は実施する。銃器等の展示にあたってはロープを張り触れないようにする。軍用ヘリや戦車の試乗は行わないが、高機動ジープの試乗は行う」と前年を踏襲する考えを示しました。
また、安保関連法施行に伴う新たな訓練や日米共同訓練、通常の市街地歩行訓練・山岳訓練等の計画について情報開示を求めましたが、「駐屯地としては開示できない。北関東防衛局に情報公開請求してもらいたい」と開き直りました。
特定秘密保護法により情報開示されないことを前提とした対応ぶりで、なんとも腹立たしい限りです。
16日、自衛隊祭の当日は、現地で抗議行動を実施する予定です。
また、19日には、県護憲連合としてオスプレイの配備・飛行訓練について、佐久市・小諸市及び長野県に対し申し入れを行う予定です。