「北朝鮮によるロケットの発射に抗議する」…社民党・又市幹事長の談話より

北朝鮮の「人工衛星」打ち上げに関し、社民党が談話を発表しました。
紹介します。
「ミサイル」ではなく「ロケット」としている点に、国際社会に冷静な対応を求める社民党のスタンスが見えます。

しかし、安倍政権は「北東アジアの危機」を煽り、集団的自衛権の行使と日米共同対処に最大限利用することになるのでしょうね…。

2016年2月7日

北朝鮮によるロケットの発射に抗議する(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.北朝鮮は、事前に国際海事機関に対し、地球観測衛星「光明星」を打ち上げると通告していたが、日本政府は、本日午前9時31分頃、北朝鮮の西岸から南に向かって、計1発の飛翔体が発射されたことを確認したと発表した。機体の一部は、我が国沖縄県上空を通過したとされている。日本国内に落下物はなかったものの、我が国の領土と領海内に落下する可能性がありながら発射を決行したことは、民間船舶や航空、水産関係者、沖縄県民をはじめ国民に影響と不安を与えるものであり、北朝鮮政府に対し、強く抗議する。

2.国連安全保障理事会決議では、北朝鮮による弾道ミサイルの開発や弾道ミサイルの技術を利用した飛行体の発射を禁じている。衛星打ち上げロケットと長距離弾道ミサイルの技術は同じものである。事実上の弾道ミサイルと受け止め、発射の自制を求めてきた国際社会の意思を顧みなかったことは、極めて遺憾である。

3.今回の発射によって、北東アジア地域の平和と安全に悪影響を及ぼすことが懸念される。しかし、この機会に乗じて、いたずらに「北朝鮮の脅威」を煽り、ミサイル防衛システムの整備・強化や、「南西諸島防衛」名目の自衛隊の沖縄展開に利用することは、北東アジアの緊張関係をかえって増幅しかねない。日本政府は、国際的な協調体制を強化するなど、徹底した外交努力によって核とミサイル問題を解決すべきである。

4.北朝鮮は、1月6日に水爆実験を行ったが、核兵器開発とロケット開発の結合は北東アジアの緊張をさらに高めるだけである。宇宙空間の平和利用と国際協力を定めた宇宙条約の目的に沿った行動をとるとともに、六者会合に復帰するべきである。

以上

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