17日の会派レクから、まず最初に「皐月保育園の移転改築事業」について。
この日、初めて、8月26日付「若槻住民自治協議会の要望書」、10月29日付の市長名の「要望書に対する回答」が資料として開示され、10月末段階で市側は「昭和の森公園の豊かな自然を最大限に活かした保育が実現できるよう、改めて地域住民の意見も伺い、移転先の検討を行い決定していきたい」との方針を示し、新しい模索検討を始めていることが判明しました。
【資料】➊「若槻住民自治協議会の要望書」
➋「要望書に対する回答」
*一括PDFファイルです。下に写真版を掲載。
151117皐月保育園移転改築事業[資料]
11月4日に、改革ネットで昭和の森公園内の北部市民プールを現地視察した折には、担当課から何のサジェスションもありませんでした。残念ながら…です。
昭和の森公園内で北部市民プール以外の場所へ
子ども未来部長は、説明で、11月27日には若槻住自協に対する説明会を予定していることから、「北部市民プール以外の場所も視野に入れ、昭和の森公園内の他の区域案を示す」考えを明らかにしました。
都市公園内であるため、北部市民プール以外の区域は「都市公園法の規定・趣旨に照らして極めて困難」としてきた従来の方針を転換させたものです。
現計画案では市民合意が得られないとの判断によるものでしょう。
計画の見直し検討は評価、問題は十分な市民合意
北部市民プールの廃止ありきで進めてきた公共施設の整備について、建設地の既定の方針・計画を撤回し、いわば白紙に戻した格好となっています。
北部市民プールの一方的な廃止方針に異議を唱えてきた私としては、若槻住自協等の意見を踏まえ、軌道修正を図り、新しい視点で再検討が始まることは歓迎、評価したいと思います。
【関連】151105廃止で揺れる「北部市民プール」などを現地調査by改革ネット
但し、住自協から要望されているアクセス道路の安全確保、北部市民プールの存廃の問題が、どのようにクリアされうるのかの問題が残ります。
同じ轍を踏まないことを強く求めたいと思います。
都市公園法による開発規制は、公園緑地課に問い合わせたところ、公園内の市道(公園内管理道ではなく、市道になっている)に接する区域であれば施設建設等の開発行為が可能であるとのこと、ただし、公園面積は減らすことができないため、除外する土地相当分を公園隣接区域に確保しなければなりません。
「園舎の建設に必要な広さと平坦な地形、公園全体の利用形態に与える影響などの観点から」(回答書より)の「新たな適地」と、除去分の公園用地の確保は、それぞれある程度の目途はあるようです。
都市計画審議会での変更手続きが必要となります。
「やろうと思えば、できるじゃない」ってところです。
改めて浮上する「公共施設マネジメント」の姿勢と手法
今後、地元との協議において、紆余曲折を経ることになるのかもしれませんが、ここで、改めて浮上してくる問題は、市民軽視の姿勢と手法です。そもそものボタンの掛け違いです。
市側は「いやいや、市民の意見を聞いて再検討したもので、市民軽視ではない」とおっしゃるのでしょうが…。
新・皐月保育園の自然保育の導入といった環境整備は良しとしても、「公共施設マネジメント指針で市民プールは見直し対象施設となっているから」「利用者が減っているから」と、利用者の声も聞かず、さらには利用促進を図ることもなく、プールの廃止ありきで進めてきた計画だからです。
県道整備のため、園舎移転の期限がH30年3月となっていることに対する焦りがあったことも否めません。
公共施設マネジメント指針を金科玉条にして、市民の理解と合意形成をないがしろにしてきた「つけ」が回ってきた問題だと思います。
少なくとも、「素晴らしい保育園ができるのだから理解されるはず」、「一石二鳥」みたいな安易な予断があったのではないでしょうか。
「これが公共施設マネジメント指針の具体化第一弾の試金石ですか?」と強く問うものです。
何度も指摘してきていますが、市民の合意形成の試金石としなければなりません。
市民とともにつくる公共施設再配置計画へ。
今回の事態を踏まえ、市民の理解と合意を得る手法と仕組みについて、さらに踏み込んでいきたいと考えます。