4月10日の会派合同会議で、市側から「おでかけパスポート事業、利用者負担の再見直し案」が示されました。
3月市議会定例会で市長が、「利用者負担軽減のため、上限額を設定するなど料金体系について改めて検討する」と答弁したことを踏まえての具体案です。
最低負担額は110円、上限を200円に
再見直し案は、利用者負担を「運賃の30%、最低負担額110円とするが、当分の間、上限を200円に設定する」というものです。
今年の10月1日から適用されます。
「当分の間」については「3年間程度」との考えを示しました。
運賃の30%という原則は変更しないが、当面の激変緩和措置として「上限200円」を暫定設定するということです。
具体的には次のようになります。詳細は下図を参照ください。
通常運賃150円~380円 最低負担額110円
通常運賃390円~680円 通常運賃の30%で10円刻み
通常運賃690円~ 上限設定により一律200円
「当分の間」という条件付きではありますが、負担軽減のための市長の決断を評価したいと思います。
1年間の事業費は、H28年度試算で、当初案に比べ、利用者の負担額は約517万円減少し、市の負担額が同額増加することになり、1億6320万円の経費を見込むことになります。
現行の定額100円に比べると、利用者負担は年間総額で3,148万円増加します。
因みに、バス事業者の負担額は30%から20%に軽減され、約7,513万円となります。
本会議での提案、一部実る…上限設定に反映
3月市議会で私は、距離制負担の導入はやむを得ないとした上で「最低負担額100円の維持、上限を200円とする見直しを」と提案しました。最低負担額の維持はできなかったものの、「上限200円」は実現した格好です。
とはいえ、私自身、当初は「上限額を300円とし、激変緩和のため段階的に引き上げる案」を考え、議会中の市長答弁を踏まえて、市行政にとってのハードルを引き上げて「上限額200円」を提案した経過がありますから、「提案実る!」と強調するには、正直、面映ゆいものがあります。ご容赦を。
しかし、当初見直し案に比べ、利用者の皆さんの負担(とりわけ中山間地域の皆さんの負担)が軽減されることになった点は、議会側の意見・提案のなせる業です。
利用動向を見極め、さらに高齢者の外出支援、バスの利用促進へ
3年後の見直しについては、利用者の動向を見極めることが重要です。高齢者の外出が抑制され、バス交通の利用減となったのでは本末転倒です。
公共交通ビジョンの策定と具体化の取り組みに合わせ、高齢者の外出支援にもつながる地域公共交通ネットワークの再編成がこれからの課題となります。