10日前、3月3日のことになりますが、長野県・長野建設事務所による「土砂災害警戒区域(地滑り)の指定説明会」が安茂里総合市民センターで開かれ、参加しました。
午後と夜の2回に分けて実施されたもので、午後の部には50人位の住民参加がありましたが、夜の部は私を含め6人、ちょっと寂しい説明会に。
土砂災害…土石流・崖崩れ・地滑りの3点セットで警戒へ
県では、土砂災害防止法に基づき、これまでに「土石流」と「崖崩れ」による土砂災害特別警戒区域と警戒区域を指定し、長野市は土砂災害ハザードマップを作製・全戸配布し、備えてきています。
今回は、これらに加えて、「地滑り」の危険な区域を「警戒区域」として新たに指定しようとするもので、事前に地元住民に説明したうえで、長野市長の意見を聞き、今年5月~6月頃には正式に指定する計画となっています。
長野市では、指定を受けて、新しいハザードマップを来年2月~3月にかけて全戸配布する予定としています。
糸静線断層帯の全体連動で死者7060人の被害想定
ところで、県は3月6日の防災会議で「糸魚川-静岡構造線(糸静線)断層帯」全体が連動した場合、県内死者数は7060人と予測する被害想定を発表しました。長野市内では249の孤立集落が発生すると算出しました(孤立集落の詳細は未発表)。
また、「長野盆地西縁断層帯」で地震が発生した場合は、最大で2350人の死者、1万6040人の負傷者、避難者16万7750人に上るとしました。
詳細は、信濃毎日新聞(3月7日付)が報道していますが、改めて長野市の被害想定について報告したいと思います。
命を守る備えが急がれます。
広がる土砂災害警戒区域
今回の地滑り警戒区域の指定は、地積に関する歴史的な調査を踏まえつつ「目視」で検証したものでボーリング調査などは行われてはいません。経験的な知見を持っての指定ということになります。
それでも、「いざという時」のための警戒区域の指定ですから、安全確保に向けた対策として、しっかりと受け止め、備えなければなりません。
「特別警戒区域」の指定拡大はありませんでした。
★土砂災害防止法とは…土砂災害から国民の生命を守るため、土砂災害のおそれのある区域について、危険の周知、警戒避難態勢の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進しようとするものです
★土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)…建築物に損壊が生じ、住民等の生命又は身体に著しい危害が生じる恐れがある区域とされ、住宅宅地分譲などの開発行為に対して許可が必要となったり建築物の移転勧告などが図られます。
★土砂災害警戒区域(イエローゾーン)…土砂災害の恐れのある区域で、情報伝達や警戒避難体制の整備が図られます。
安茂里地区…4区域・10箇所
安茂里地区では「地滑り」で新たに4区域・10箇所が指定となります。
ほとんどがこれまでの「特別警戒区域(レッドゾーン)」「警戒区域(イエローゾーン)」に隣接する箇所で拡大指定したものとなっています。
新たなものとしては、夏目ケ原浄水場の東側斜面と浅場牧場周辺があります。
浄水場施設本体の損壊の危険について問うたところ、「今のところ、直接的な被害は想定されない」とされました。でも、「絶対」ではありませんよね…。
我が家もイエローゾーン
今回の指定拡大で、国道19号の南に位置する小市1丁目の我が家周辺一帯も「イエローゾーン」内に入ってしまいました。安普請ですから、ひとたまりもないでしょうね…。引っ越すわけにもいきませんから(笑い)、十分に備えるしかありません。
安茂里地区における土砂災害の特別警戒および警戒の区域箇所は次の通り。
警戒区域 特別警戒区域
(イエローゾーン) (レッドゾーン)
がけ崩れ 69 44
土石流 16 12
地滑り 4 0
日々の備えは大切ですが、ハード整備も
急峻な山と犀川に挟まれている安茂里地区は、土砂災害と水害の警戒区域が広がる地形にあります。
土砂災害から身を守るためには、「日頃の備え」と「早めの避難」がカギです。
とはいえ、県には、「財政が、予算が…」と声高に言わず、砂防堰堤や斜面法面の地盤強化などハード面での整備を急いでもらいたいと強く願います。
とにかく、住民の皆さんに土砂災害警戒区域の拡大を周知し、集中豪雨や長雨、地震の際に「万が一」を考え、早期に避難することを知らしめていくことが重要です。