国土交通省に公共交通政策を要請

 2月2日、東京・衆議院第一議員会館で開かれた私鉄総連主催の15春闘・交通政策要求実現中央行動に参加してきました。
 全国から私鉄総連傘下の100単組の代表と同総連自治体議員団会議の代表ら185名が集い、交通政策要求書を国土交通省に提出、意見交換が行われました。
【藤井・私鉄総連委員長から藤井・公共交通政策部長に要求書を提出】
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2015年度予算案…地域公共交通確保維持改善事業は290億6,200万円

 「地域公共交通確保維持改善事業 」は290億6,200 万円 (同0.95倍)となり、前年度より微減したものの、2014年度補正予算を含めると358億1,800 万(同1.17倍)を確保したとされます。
 同事業には、改正地域公共交通活性化再生法に基づく地域公共交通ネットワーク再構築事業化も含まれています。
 また、この他に地域公共交通の再構築を担う施設事業運営会社に対する支援として鉄道・運輸機構による出資制度10億円を創設するとしました。
 なお、2014年度補正予算では、「鉄道施設の安全対策等」に65億2600万円が計上され、この中には、鉄道以外にもバス・タクシーのバリアフリー化、ICカードシステム導入による利便性向上促進が含まれるとされています。

 国土交通省からは、藤井直樹・総合交通局公共交通政策部長をはじめ約30人の担当者が参加。
 部長は「交通政策基本法に基づく交通政策基本計画(2015~2020)は閣議決定に向け最終調整の段階。地域交通を焦点とする基本計画にしていきたい。改正活性化再生法によって、自治体が中心となって策定する地域公共交通網形成計画及び地域公共交通再編実施事業計画が100件となるよう取り組みたい」と述べました。

交通政策基本法の理念目標を達成できる財源措置を

 全体要求書では、交通政策基本計画に基づき施策の推進に向け、必要な法制上・財政上の支援措置の確立、交通政策基本計画の市町村への周知徹底、地域間幹線系統補助の拡充、交通産業における要員不足対策、公共交通利用エコポイント制度の導入などによる利用促進策の拡充、消費税率再引き上げに伴う軽減税率導入にあたり「運賃」を対象とすること、交通事業者に対する負担軽減策などを求めました。
 また、鉄軌道・バス・ハイタクの分科会では、より具体的な基準の見直し、補助制度や税制特例の拡充を要求しました。

新年度予算は基本的に従来スキームの継続

 国交省の対応は、個別的な箇所付予算では前進しているものがあるものの、全体的には従来の支援スキームの継続が基調で、「要請事項は重要であると認識している。しっかり取り組む」といった認識と決意を述べるにとどまり、具体的な改善・拡充要請には明言を避けました。官僚らしい答弁です。
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 私は鉄軌道の分科会に参加しましたが、国交省側の余りに素っ気ない答弁に、「日常生活に不可欠な移動手段の確保、地域公共交通のネットワーク化の重要性をうたった交通政策基本法が成立し、法に基づく基本計画が決定される中で、厳しい現状にある地方のバス交通・鉄軌道のネットワークを維持するために新たにこんな施策を展開するといった意欲・問題意識がなかなか見えてこない。基本計画の2020年を見据えた実施計画、新たな支援措置の確立・構築を求めたい」と苦言を呈してしまいました。
 鉄軌道分科会では、志村努・鉄道局官房審議官が挨拶だけで退席され、私の意見に応えられる担当者がいなくなったためか、皆さん、無言のまま…、一方通行に終わりましたが、参加者からは「言いたいことを言ってもらった」と感謝の声も…。

 交通政策基本法に魂を入れるには、地方の現場・第一線の取り組みが必須です。

 東京は快晴でした。【議員会館前から国会議事堂”裏側”を臨む】
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