連日、旗開きや新年会に招かれる中、16日は安茂里地区住民自治協議会の新年会がホテル信濃路で催され、路線バスで会場に向かいました。
アルピコ交通が不採算路線として廃止を含め見直しが必要としてきた「犀北団地線」を利用しました。
17:00、起点の犀北団地・バス停で乗車したのは私だけでしたが、伊勢宮団地や裾花中学校前から計11人が乗車といった状況。平日夕方の便で、通勤・通学の足として利用されているように見受けられます。
さて、年間2600万円の赤字とされる「犀北団地線」の収支改善策が、このほど明らかになりました。
【参考記事】20140925安茂里・不採算バス路線の説明会
運賃240円、2割増に…休日・日中の減便も
アルピコ交通長野支社は昨年12月段階で、運賃改定による収支改善案をまとめ、地元安茂里住民自治協議会側に示してきていましたが、このほど、運賃改定について国土交通省との調整が終わったことから、2月16日から運賃を現行の200円(犀北団地~長野駅)から240円に値上げすることを明らかにしました。国道19号のハス路線の運賃改定と連動させる形で引き上げ幅が決定されたようです。
土・休日および日中のダイヤ改変、減便については、3月10日に予定される長野駅前バスロータリーの開設に向け、他路線との調整を図りながら、検討していくとのことです。
懸念される通勤・通学への影響
現状では、路線の廃止は免れた格好です。運賃100円のお出かけパスポートの利用度合いが高い路線とはいえ、20%の運賃値上げで通学・通勤の足への影響は避けられません。
昨年9月に安茂里地住民自治協議会の要請に応える形で行われた「説明会」以降、路線沿線の各区長さんの手により、「犀北団地線廃止の危機」を周知し、「時刻表」を掲載して利用促進をアピールするチラシが作成され、全戸配布に取り組まれてきていました。
地域住民による自主的な路線維持・利用促進の取り組みも不可欠な課題です。
運賃の値上げによる路線維持はやむを得ないところですが、ダイヤ改変の成り行きも見据えながら、新しい利用促進策を検討し実行して行くことが、路線維持の課題となっています。
また、お出かけパスポート事業における事業者負担の適正化(現在、運賃の2割~3割分を事業者が負担)も早期に実現し行くことが必要です。
多面的な利用促進策を
9月段階の地元説明会では、区長さん達から「安茂里駅前のデリシア(アップルランド)でバス利用者に対する買い物ポイントを付けるとか、アルピコグループ全体でバス利用の促進策を考えてもらいたい」「事業者と利用者・住民が一緒に考えるスタンスが重要。一方通行でない検討を願う」といった意見が相次いだことを報告しましたが、こうした課題がまさに問われています。
北屋島線・大豆島線は減便に、紙屋線は廃止し路線再編検討へ
同じく見直し路線とされていた北屋島線・大豆島線については、土・休日の減便で対応するようです。また紙屋線については、路線廃止はやむを得ないとする一方で、稲里町にある長野日本無線に工場が新設されることに伴い、1000人もの市内居住労働者が増加、JR今井駅前に職員住宅が整備されることから、新たなバス路線の展開も視野に入れ、川中島・更北地域の路線網の再編が検討されるようです。
企業立地に伴う、公共交通を利用した通勤の足の確保を巡る新しい課題ともなっています。
来週は、市議会公共交通対策特別委員会で行政視察に
コミュニティバスや交通空白地域の有償輸送、ミニバスターミナル、BRTの導入などをテーマに、四日市市・浜松市・日立市を訪問します。
長野市の公共交通ピジョン、バス交通ネットワークの再編拡充整備にどう活かすかといった視点で、しっかりと学んできたいと思います。