3日午後、長野市議会で国土交通省総合政策局交通政策部の海谷厚志・交通計画課長を招き、「地域公共交通の現状と今後の課題」をテーマにした講演会を開きました。議員をはじめ交通事業者や県の交通政策課の皆さんら約50人余りが参加しました。
私も所属する公共交通対策特別委員会の発議で実現したもので、制定された交通政策基本法や改正版・地域公共交通活性化再生法のポイントを共有化し、策定中の「長野市公共交通ビジョン」への意見反映と市内の公共交通ネットワークの再構築に向けた課題整理が狙いです。
1時間半の講演は、地域公共交通の現状と課題、交通政策基本法と改正・地域公共交通活性化再生法のポイント、自治体への支援方策の充実、全国の地域の取り組み、交通政策基本計画の概要についての説明が内容でした。
国は、「コンパクトシティ+交通ネットワーク」の実現という観点から、まちづくりと一体となった地域公共交通の再構築を図ろうとしています。
日常生活に不可欠な移動交通手段を確保し、まちづくりの観点から交通施策を促進しようとするもので、自治体が先頭に立って取り組むことが求められています。
衆院解散の煽りで、交通政策基本計画の閣議決定は年明けになるとのことです。
関心事は、国がどれだけ財源を保証するのかにあるのですが、この点においては財政投融資の活用を図るスキームが紹介されました。来年度予算編成で国交省は交通政策に係る概算要求をほぼ従来通りとしていますから、具現化はH28年度以降になりそうです。H27年度は「地域公共交通網形成計画」」と「地域公共交通再編実施計画」の策定への支援ととどまるのでしょうか。財政投融資の活用の見通しは注目しておくべきところです。
全体的に、地域公共交通の現状と新たな制度設計の概要が基調で、私的にはいささか物足りなさが残りました。「具体は、全国の取り組み事例から地域の特性に応じて学んでもらいたい」との国の姿勢なのでしょうか。
市議会として国の動向を共有化する意義はあったと思いますが、新しい地域公共交通活性化のスキームを長野市にどう活かせるか、使えるかは、これからです。
午前中は、議会報編集委員会、議会提案議案となる「農業振興条例案」の説明会でした。
明日は本会議、3会派の代表質問です。