10日、上越市で上越市議会と長野市議会の交流会が開かれ、直江津港のエネルギー施設を視察するとともに議会間の交流を行いました。
【写真は直江津LNG基地内で長野市議会のメンバー。議会事務局から写真が届き追加でアップ】
上越市内では、県管理の直江津港や直江津港の埋め立て地に建設された国際石油開発帝石株式会社(インペックス)の「直江津LNG(液化天然ガス)基地」と中部電力の「上越火力発電所」を視察しました。
*LNGとは?…メタンを主成分とする天然ガスをマイナス160℃の極低温に冷却・液化した無色・無臭の液体。気体の状態に比べて体積が600分の1になるため、大量輸送・貯蔵が可能となる高効率のクリーンエネルギー源。
直江津港は、日本海側にある港湾の中では、新潟港、伏木富山港に次ぐ位置にあるもので、釜山や上海のハブ港と結ぶ重要な港湾施設です。コンテナや貨物の取扱量は岸壁の大型で増加傾向にあり、LNGの本格輸入が始まったことで、輸入ではLNGが9割を占めているとのことです。新潟港とともに液化天然ガスの拠点港に指定され、エネルギー港湾としての活力が期待されています。
一方、佐渡航路をはじめとするフェリー利用は、ピーク時の4割にまで減少し厳しい経営環境にあるそうです。
佐渡航路では、新幹線延伸に伴い来春から新造船が導入されるそうです。観光客の増が期待されます。
インペックスの「直江津LNG基地」はH25年12月から操業が始まった施設で、インペックスが取り組む海外LNGプロジェクト(オーストラリアのイクシス・アバディ)からのLNGを「受入」「気化」「熱量調整」して国内パイプラインネットワークに送り出すもので、1都7県(東京・長野・新潟・群馬・栃木・山梨・静岡)の家庭にガスを供給する重要な基地です。パイプラインの総延長は1400㎞に及ぶそうです。
南長岡の天然ガス油田からも供給されているそうですが、毎日使っているガスのほとんどを輸入に依存している現実を改めて認識しました。
中部電力のLNGを燃料とする火力発電所は、H24年7月に操業開始、H26年5月から2号機が運転開始し、2系統で4つのガスタービン・蒸気タービンが稼働しています。
総出力は238万kwで、長野県のピーク時電力の約8割を供給する能力を持っています。
熱効率は国内最高水準のもので、CO2排出量も年間で160万トン程度削減できる、最新鋭の発電施設です。
拡張はLNGの供給体制や敷地の制約から現状では考えられないとしています。
いずれの施設も、長野県民・長野市民にとっては必要不可欠な施設。電力・ガスは新潟県上越市の施設に依拠していることになります。最もエネルギー源は海外ですけど。夏の海水浴や釣りだけではありませんね。
中部電力の浜岡原発をはじめ、国内の原発は現在稼働していません。原発なしで日本経済、市民生活が成り立っている現実をもっと大切にしたいです。
LNGも限りある自然資源ではありますが、原発に代わるエネルギーとして整備・拡大が求められるところです。
視察後に、「うみてらす名立」で上越市議会の皆さんと意見交換会。北陸新幹線の金沢延伸に伴う観光戦略などを課題に意見交換しました。
昼食は直江津駅の駅弁「鱈めし」でした。「全国駅弁甲子園」で優勝した実績をもつ名品だそうです。干しタラとタラコの親子弁当、美味しくいただきました。