昨日の続きです。
《地域子育て支援の体制づくり…子育て新システムと自治体…》
第4講義の渡辺教授の講義は、「子育ち・子育て対策特別委員会」の調査研究にあたりヒントを得たいと注目していた講義ですが、幼保連携型認定こども園等の「保育・教育」にかかわる視点ではなく、「地域子育て支援に目を向ける視点」=社会全体で子育てを支える体制づくりを考える内容でした。
地域子育て支援センターの機能強化をはじめ、地域の子育て力の再構築が重要だというものです。
利用者支援事業において、市町村に委ねられた事業が多く、地域格差が生じていることに目を向けて、子育て家庭の実態に即した支援の質的向上や多様な保育・子育て支援の連携が重要であり、保育所をはじめ、幼稚園、認定こども園、児童館・児童センター、地域子育て支援拠点などの保育・教育の地域の施設が、単に子どもへの支援だけでなく、子育てをする親を含めた家庭支援を積極的に担い、地域の連携を築いていくことが喫緊の課題と強調しました。
具体的な一例として、乳幼児健診時に地域子育て支援センターが出張し相談に応じる取り組みがあげられていました。長野市での実施状況は確認が必要ですが、なるほどと思いながら聴きました。
《低炭素・気候変動適応型社会へ…自治体の対応と課題…》
第5講義の白井教授は、興味深いものでした(実は所用のため途中で失礼してしまいましたが)。
「気候変動=地球温暖化は、これまでの気候災害を増幅させる。気候変動は既に始まっている危機であり、最大限の“緩和”策をとったとしても気候変動は進行する。だから、気候変動に“適応”する仕組みを構築することが不可欠」との視点です。
「気候変動対策には緩和策と適応策がある。緩和策は省エネルギー対策や再生可能エネルギーの普及拡大などの温室効果ガスの排出削減と吸収対策であり、適応策は渇水対策、治水対策、熱中症予防、農作物の高温障害対策、生態系の保全など悪影響への備えと新しい気候条件の利用である。」という整理です。私が勉強不足なのですが、かなり新鮮な問題意識です。
適応策には、「人間の命を守る」「生活の質や産業を守る」「倫理や文化を大事にする」といった3つのタイプと、「防御」「順応」「転換・再構築」の3つのレベルがあるとされます。
先進的な取り組みの一つとして、長野県の「県環境エネルギー戦略~第3次長野県地球温暖化防止県民計画」における「適応策の位置づけ」と「気候変動モニタリング体制と信州・気候変動不適応プラットホーム」の立ち上げ検討があげられていました。
県の環境エネルギー戦略について県の担当課からレクを受けたことがありますが、適応策といった視点から県の戦略を見てこなかったので、「へぇ-」って感じです。もう一度、読み返さなければなりません。
法政大学地域研究センターでは、地域でのモデルスタディを経て地域適応ガイドラインを作成しているとのことで、長野県でのモデルスタディも紹介されていました。
長野市の取り組みに関しては、次のページで。