『働く者の連帯で、「ゆとり・豊かさ・公正な社会」を実現し、自由で平和な世界をつくろう』をメインスローガンに、 第85回長野県中央メーデーが催されました。
会場となった市内の城山公園「ふれあい広場」には主催者発表で4300人が結集、私も連合長野推薦議員として参加しました。
集会は素晴らしい五月晴れのもとで、日焼けしてしまう陽気でしたが、デモ行進の折には冷たい雨にたたられ、びしょ濡れになって街頭から行進隊に連帯のエールを送りました。
メーデーは1886年5月1日にシカゴの労働者が「8時間労働、8時間休息、8時間教養」を要求し、人間らしさの回復と安定した生活を求めて立ち上がったことに始まり、世界に広がったものです。
労働法制の改悪が目論まれる中にあって、今一度、光り輝かせたいスローガンです。
今年の春闘は、大手を中心に久しぶりにベア回答が目立つ春闘となりました。「官製春闘」と揶揄されるところもありますが、抑え込まれてきた賃金が上昇することは歓迎すべきことです。
しかし、手放しで喜ぶことはできません。中小企業や非正規労働者はなお厳しいままに置かれています。そのうえ今年度の物価上昇率は3.2%と予測されています。消費税増税や社会保障の切り捨てで安心の暮らしには程遠いのが現実です。
それだけではありません。国会では雇用と労働条件に多大な影響を与える派遣労働の改悪法案が上程されるなど、働くものの権利を奪う労働分野の規制緩和が進められようとしています。「世界で一番企業が活躍しやすい国」づくりと称し、労働者の使い捨てがまかり通ってはなりません。
さらに「戦争のできる国」「国民が戦争に反対できない国」づくりです。安倍政権は昨年秋には国家安全保障会議(日本版NSC)設置法、特定秘密保護法など危険な法案を次々と成立させ、集団的自衛権の行使容認に向けた解釈改憲を強行しようとしています。
安倍政権によって平和憲法が国民の手から奪われ、競争・規制緩和で格差はさらに拡大し、人権軽視・自助努力の弱肉強食社会へ変貌させられていくことを許してはなりません。
安倍政権の暴走をストップさせるとともに、いのちや暮らし、雇用、憲法を守るために力を尽くしたいと決意新たにしたメーデーでした。
ところで、会場で行われた「イエス・ノー・アンケート」で、「労働者保護ルールを知っているか」との質問に68%の参加者が「ノー」と答えたことには、少なからずショックです。集会のサブ・スローガンには「労働者保護ルール改悪に断固反対」が掲げられています。連合の真価が問われているということでしょうか。
サブ・スローガンに「集団的自衛権の行使容認反対」が盛り込まれていないことも大きな課題と言えるでしょう。連合長野会長はあいさつの中では触れましたが、サブスローガンに掲げ、家族や友人、恋人を戦地に送らない恒久平和主義の決意を誓い合うメーデーにしたかったものです。