23日から24日、福岡県朝倉市の原鶴温泉で、私鉄総連(私鉄労働組合の全国本部)主催の交通政策フォーラムが開かれ、参加してきました。全国から私鉄労組関係者や自治体議員ら230人余りが集まりました。
23日は午前9時から自治体議員団会議と交通政策委員会の合同学習会があるため、前日の22日午前10時に長野を出発、名古屋で新幹線に乗り換え、博多経由で福岡の会場に着いたのは午後7時、なんと9時間の長旅です。24日はお昼で失礼し長野に、自宅到着は午後9時でした。
さて、今年の交通政策フォーラムは、長年の運動が実り制定された交通政策基本法を受けて、この基本法を地域でいかに使い活かしていくのかが全体のテーマです。
2014公共交通利用促進運動全国行動キックオフ集会に始まった全体会では、早稲田大学商学学術院教授の戸崎肇氏による「交通政策基本法施行後の各地域の取り組み」について講演を受けました。
「総花的で、しかも散文的な法律。何に重点を置いて具体化されていくのか、見極める必要がある」「日常生活に不可欠な交通手段の確保、安全の確保に重点を置いた取り組みを国に迫っていく取り組みが不可欠」との戸崎氏の指摘は、辛口ながら聴きごたえのあるものでした。
分科会では、国土交通省自動車局旅客課バス事業活性化調整官・小熊弘明氏から「高速・貸し切りバスの安全・安心回復プランの進捗状況」「貸切バスの新たな運賃・料金制度」「乗合バス運賃への消費税の転嫁」「『バス運転手の確保及び育成に向けた検討会』の論議経過と課題」、さらに「地域公共交通活性化再生法の一部改正の概要と課題」など、多岐にわたり国の取り組みの現状と問題提起を受けました。
「現場の声から問題点を洗い出し前向きに対応したい」との謙虚な姿勢には好感が持てる国交省若手官僚でした。
大阪の貸切バス事業者「エヌ・イー・ケイ交通」の名神高速道での逆走事故があったばかりで、改めて安全の確保が浮き彫りとなったフォーラムでもありました。「エヌ・イー・ケイ交通」は過去10年間に5回もの行政処分を受けているそうです。未だに安全が二の次になっている交通事業者の”厳しい”というか、”いい加減な”現状が伺えます。
結構なボリュームの資料をもらいました。詳細は改めて報告したいと思います。
夏以降に制定される国の「交通政策基本計画」を注視しつつ、地域公共子ツウ活性化再生法の見直しと合わせ、新しいスキームのもとで、いかに地域公共交通間のネットワークを再構築していくのか、十分に調査研究し、長野市が策定する「公共交通ビジョン」に反映してきたいと考えます。