3日、私鉄総連による交通政策の要求実現に向けた中央行動に参加してきました。東京・衆議院議員会館で開催されたもので、全国から自治体議員をはじめ私鉄総連傘下のブロック代表や単組代表ら140人余りが集まり、国土交通省に対し、交通政策基本法に基づく実効性のある交通政策基本計画の早期制定などを要請しました。14春闘の取り組みの一環として、毎年取り組まれているものです。
「節分」の日、東京はコートがいらないくらいに暖かでした。というか、暑かったです。
民主党の私鉄交通政策議員懇談会の国会議員7人も同席。なぜ民主党議員だけなのかと訝しく思いましたが、グッとこらえて(?)大人しく対応。久しぶりに辻元清美衆議と顔を合わせました。ここは懐かしく挨拶しときました。
国土交通省からは、総合政策局から藤井・公共交通政策部長をはじめ、バス交通を主管する自動車局長、鉄道・軌道を主管する鉄道局長ら担当役職員が対応しました。
鉄軌道・バスを巡る地域公共交通の課題は山積していますが、関心事は、交通政策基本法の制定に基づく「交通政策基本計画」の策定の動向、地域公共交通活性化・再生法の見直しのスキーム、新年度予算における新たな施策の内容です。
「日常生活に必要不可欠な交通手段を確保」するために制定される国の「交通政策基本計画」は、交通政策審議会と社会資本整備審議会において、素案を夏までに取りまとめ、パフリックコメントを経て決定する予定とのこと。実効性のある基本計画を望むところです。
活性化・再生法の見直しは、交通政策審議会の地域公共交通部会で「地域公共交通の充実に向けた新たな制度的枠組みに関する基本的な考え方」の『中間とりまとめ(案)』が12月18日に公表されたところですが、見直しのスキームや予算措置について質問した処、新たにスキームによる具体的な施策展開はH27年度予算要求に反映させていく考えが示され、H26年度中の補正予算対応は否定的でした。「基本計画」の策定を踏まえ、H27年度予算への概算要求に具体策を盛り込む考えのようです。
この『中間とりまとめ』では、地域公共交通が地域住民の移動手段の確保にとどまらず、コンパクトシティの実現や、まちの賑わいの創出・健康増進、人の交流の活性化など、多面的な役割を有していることから、「地域公共交通を地域社会全体の価値向上のための手段の一つとして捉え、必要な施策を総合的に講じていく必要がある」との認識を示し、「地方公共団体が先頭に立って、交通事業者、住民・利用者、学識経験者をはじめとする地域の関係者が知恵を出し合い、合意の下で『持続可能な公共交通ネットワーク』を構想し、その実現を図ることが重要」と指摘しています。
見直しのイメージとして、総合連携計画に代わり、ネットワーク形成を重視する地域公共交通網形成計画(仮称)を位置づけ、市町村だけでなく県においても協議会を設置し計画作成できるとしています。地域公共交通再編事業として市町村または県が「地域公共交通再編実施計画」を事業者と合意の上で作成し、その具体化を国が支援することを柱とするようです。具体的な内容については、もう少し調査して別途まとめてみたいとと思います。
国の新年度予算案では、地域公共交通確保維持改善事業は基本的に継続するものとされ、新たな補助メニューは乏しいと受け止めていますが、バス車両の更新対策強化策として「公有民営補助」の制度創設が盛り込まれています。事業者の負担軽減策として、市町村が路線バス車両を購入し事業者が運用する制度で、国が購入費を2年間にわたり補助する内容です。補助要綱を作成中とのことでした。詳細はまだ不明ですが、しっかりと調査し、活かせるものは活かしていきたいと思います。
また、スクールバスや福祉バスなどの貸切運行委託における国交省の「貸切バス選定・利用ガイドライン」は、新高速バスの運賃設定に伴い改定を予定しているとのことです。下限運賃を設定し、下限割れの場合に審査対象運賃とし是正措置を講じる内容になりそうです。コミュニティバスの事業社選定・運行における「ガイドライン」と合わせ、貸切バスの選定・利用ガイドライン」についても、内容を把握し、対応していきたいと考えます。
不足が深刻なバス運転手の確保・養成について、昨年12月に「バス運転者の確保及び育成に向けた検討会」が設置され、6月までに取りまとめる方向性も示されました。バス運転手の不足は地方都市でも深刻な問題です。国における支援措置に期待したいものです。
地域公共交通の再生を巡る国の動向等については、3月市議会における質問の準備としても、詳しく調査・研究したいと思います。