5日、市長選挙後初の合同会派総会が開かれ、市長選挙に当選した加藤久雄氏が挨拶に訪れました。
鷲澤市長の任期は11月10日までですから、加藤氏の挨拶は非公式なものということになります。
加藤氏は「浅学非才ではあるが、“市民のために”を基本に市政にあたりたい。市議会とも風通しの良い関係を作りたい」と抱負の一端を述べました。まずは謙虚にということでしょう。加藤新市長が、市民に、市議会にどのように臨むのかは、これからです。
理事者側からの重要な施策に関する説明・レクを中心に設定される会派総会に、現・鷲沢市長は与党を標榜する最大会派・新友会の会合には最初から最後まで出席してきていますが、加藤新市長がどのように対応されるのかも注目です。
市議会のとある会派の会合に市長がずっーと出席しているというのは、二元代表制の下における市長と市議会のあるべき緊張関係に照らしていかがかと考えます。
一方、恒例として会合に先立ち挨拶に訪れた鷲沢市長が、衛生センターにおける職員不祥事、水道料金の誤請求問題と、謝罪から始めざるを得なかった点は、何とも「気の毒」(?)な感じでした。今回発覚した不祥事が極めて深刻な問題であることはいうまでもありませんが、最後の最後で減給処分を自らに課すことになってしまいました。
鷲沢市長の会派総会への出席は今日が最後です。意中の人材に後を託せることになったのですから、意気揚々と退場としたいところなのでしょうが、「後姿が寂しそう…」に感じたのは私だけでしょうか。
ところで、合同会派総会に報告された事柄は、➊新規事業でスタートした「やまざとビジネス支援事業」の一部採択取り消しの顛末、➋南長野運動公園総合球技場の整備工事の進捗状況、➌長沼公民館への指定管理者制度導入にあたっての考え方が主な内容でした。
それぞれに問題点を内包していると考えます。ポイントだけ列挙します。
➊新規事業でスタートした「やまざとビジネス支援事業」の一部採択取り消しの顛末
一度は採択され300万円の補助を決定した、「飯綱高原コミュニティ協議会・自然エネルギー活用委員会」が提案した「芋生地区における再生可能エネルギーの地産地消推進事業」は、二次審査会の段階で提案団体である当協議会が既に解散していたこと、応募の要件である地域との連携体制・信頼関係が構築されていなかったことから、採択取り消しとした問題です。
7月の採択決定直後から、補助採択の違法性に関する苦情が寄せられたことで、調査した結果、採択取り消しとしたものですが、3カ月も要したことには、いささか疑念がわきます。
行政側は、「悪意ある虚偽ではなく、地域との良好な関係の再構築を働きかけた来たため」とするのですが、経過を聞けば聞くほど、「善意の虚偽」とは思えなくなります。
市では、今後の対応策として、申込者への指導徹底や資格要件確認の徹底、住民自治協議会との連携強化を図るとしています。自治体補助金の不正な受給にもつながりかねない問題を内包しているのではないでしょうか。民間人のビジネスを支援するという新しい取り組みだけに、規律ある毅然とした対応が求められると思うのですが…。
➋南長野運動公園総合球技場の整備工事の進捗状況=総事業費79.7億円に
サッカースタジアムの実施設計が固まり、概要が説明されました。AC長野パルセイロが大健闘している時だけに、完成が待たれはします。「マルチボックス・テラスデッキ」といった家族やグループで観戦する特別室・特別デッキが整備されるそうです。
総事業費は、労務単価の引き上げや資材高騰により見直され、プロポーザル段階の71億4千万円から8億3千万円増大、79億7千万円になる見込みが新たに示されました。80億円という枠内ではありますが、仕方がないのでしょうか。「無駄を省く」視点が問われます。
➌長沼公民館への指定管理者制度導入
市立公民館への指定管理者制度の導入は、長沼地区住民自治協議会が初めてのケースとなります。市では、受任を希望する地区に順次導入していく考えを示し、受任に前向きな住自協は4~5地区あるとしました。
12月市議会に長沼地区住自協を公民館指定管理者とする議案が提案されることになります。
私は、公民館への指定管理者導入に懐疑的な意見を持っています。社会教育法で求められる市立公民館の役割が全うできるのか、社会教育の拠点である公民館活動に市民サービスの地域差を生み、いびつな公民館運営行政になりはしないのか、懸念されるからです。
長沼住自協の意欲を否定するものではありませんが、将来にわたっての行政としてのスタンスが問われる問題だと考えます。
中核市レベルでは、金沢市・豊橋市・豊田市・奈良市がほぼ全館、指定管理者に移行しているそうです。それぞれの公民館の歴史があるようです。
しっかりと調査し、12月議会に臨まなければなりません。公民館への指定管理者投入問題は改めて報告します。