決算特別委員会

 台風26号は伊豆大島に甚大な爪跡を残しました。生存を信じ声をかけ続ける姿には、心が締めつけられます。犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、安否不明の皆さんの救命活動が進展することを心から願います。
 伊豆大島の災害では、土砂災害警戒情報の発令下における、住民避難勧告・避難指示のあり方が問われることになりそうです。長野市の態勢に照らして検証も必要となる課題です。

 さて、17日で、10月1日から7日間をかけて集中審査を行ってきた決算特別委員会が終了しました。H24年度長野市一般会計決算をはじめ特別会計決算・企業会計決算など、すべての会計決算を認定しました。部局ごとに審査する決算認定は、「全員賛成」が大方でしたが「賛成多数」によるものもありました。

 決算認定の審査は、当初予算で計画された諸事業が適正に執行されているか、無駄はないのか、豊かな市民生活に資する予算執行となっているかといった観点からチェックすることが仕事です。その上で、予算執行の見直しや新たな事業展開などを意見として述べつつ改善方を要望することになります。

 こうした観点から、委員長として、予定された審議時間を目途に審査を進行することになるのですが、委員の皆さんの問題意識は、どちらかというと要望にウエイトを置いた発言になります。
 重点施策の進捗状況のチェック、市民の関心の高い施策の進捗状況を重点にチェックすることを心がけ、また、監査から指摘された事項への対応、決算で不要とされた額の多寡、市税や利用料・保険料の未納金の納付対策など、一通りはチェックできたものとは思うものの、時間を気にする余り、抑えられなかった施策のチェックもあり(私の問題意識の範疇ですが)、反省点です。大局的な視点からの審査という点でも”反省しきり”といったところです。
 これから、議会事務局の手を借りながら、委員長報告をまとめていくことになります。

 繰り返しですが、予算の執行を監視・評価し、次につなげることが決算審査の目的です。議会活性化の検討議論の中では、決算特別委員会のあり方に関し、次年度予算編成に反映できるような審査への改善を課題としてきましたが、取りまとめはなかなか難しそうです。
 新しい年度が6カ月以上経過してから、決算審査を行い、認定は12月議会における決算特別委員会の委員長報告の議決をもって認定が決まる手続きとなります。
 審査中の意見や要望について各部局の理事者には真摯に受け止めていただいているものとは思いますが、正式には委員長報告に盛り込まれた内容、すなわち議決された内容が行政側を縛ることになります。この段階では、事実上、新年度の予算編成はおおかた完了しており、速やかな新年度予算への反映につながりにくいという課題が残るわけです。

 現金主義・単式簿記の公会計制度について、発生主義・複式簿記(いわゆる企業会計方式)を導入し、地方財政の見える化を進めるべきとの観点から、見直しが進んでいます。
 さらに、全国の自治他議会の中では、常任委員会で予算と決算を一体的に審査するといった取り組みも進んでいます。

 決算審査のあり方の見直しは、もう少し多角的に検討すべき時期に入っていると感じます。

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