8月10日、松代大本営朝鮮人犠牲者追悼祈念碑の建立18周年の集いが松代象山地下壕の追悼碑前で催されました。追悼碑建立運動当時から事務局を担当しています。
今年の追悼式典には、象山地下壕工事の発破事故で無くなった朴潤景(パク・ムンギョン)氏(済州島出身・43歳)のご遺族である新井七郎(埼玉県草加市在住)さんが参加、ともに追悼しました。
新井氏によれば、「発破事故は1945年の2月8日、当時、鹿島組配下の飯場頭であった父親・朴潤景が、発破が仕掛けられたのを知らず奥で作業していた人たちを呼びに行き、帰り際に爆発に巻き込まれた」とのこと。7番地下壕での発破事故でした。「その後、火葬し遺骨を持ち帰った」とされます。この発破事故で故朴氏の他に3人が犠牲になったともされます。
新井氏は当時7歳だったそうです。
これまでに大本営工事では故朴道三氏(ロ号・観測所の地下壕工事の発破事故で死亡)をはじめ犠牲者が特定できてきましたが、象山地下壕工事での犠牲者の特定は初めて。歴史の真相がまだまだ埋もれている現実を改めて痛感します。
昨年9月、埼玉県の在日関係団体が取り組んだ“歴史探訪ツアーin長野”の松代大本営見学の折に偶然明らかになったものです。
壕前での追悼式典に続き、サンホール松代で追悼碑を守る会第19回総会を開き、情報誌「いわかげ」の発行をはじめ、来年11月11日に迎える松代大本営工事70周年、再来年の建立20周年に向けた企画の検討に着手するなどの事業計画案を確認しました。
総会では、4月にリニューアルオープンした「もう一つの歴史館・松代」運営委員会の新谷ちか子さんから活動報告もいただきました。22年前、当時松代に残っていた「慰安所」家屋の保存運動に始まった取り組みは、「慰安所」の梁や天井板を活用することで部分保存に結実しました。
従軍慰安婦の存在を容認する発言が横行する中、改めて日本の加害・侵略の歴史を問い返し、正しい歴史認識のもとに戦争責任を果たしていく原点にしたいものです。