8月6日の臨時市議会には、市職員の給与削減について、職員労働組合との交渉が妥結したことから、引き下げ条例案が提出されることになりました。
そもそも地方公務員の給与削減を前提とした地方交付税の削減は、本来、地方が決定権を持つ地方公務員給与を国がその削減を強制するもので、地方自治体の自主性を奪い、地方自治の根幹を揺るがす看過しがたいものに他なりません。地方交付税法の趣旨に照らしても疑義が残る、道理無き国の横暴です。
しかしながら、給与引き下げ分に相当する約8億円の地方交付税が現実的に削減されたことから、市民生活への影響を最小限にとどめるための「苦渋の策」として、市側は職員労働組合に給与削減を提示してきました。
交渉の結果、削減率等を引き下げ9月実施で妥結しました。来年3月までの時限措置です。県をはじめ県下の自治体の交渉状況に鑑みて、組合側の粘り強い交渉を率直に評価したいと思いますし、市側の妥結・合意に至らしめた対応も了としたいと思います。。
《妥結内容》は次の通り
➊月例給の削減率の引き下げ…子育て世代に配慮し、3級を7.4%から7.0%に、4級は7.4%から7.2%に
➋一時金に反映させない
➌地域手当3%を9月から完全支給
➍時間外手当について、週の労働時間40時間超過分からを38.75時間超過分から支給
➎7月実施を9月実施
この職員給与削減に伴い、理事者側も特別職の報酬削減を提案することになります。
そして、議員報酬も引き下げることになりました。各派代表者会議で協議されてきたものですが、組合との交渉妥結、特別職の報酬引き下げの動向(市長は12%減、副市長や教育長等は10%減)を踏まえ、自主的に議員報酬を10%引き下げる内容です。
議員報酬は、現行60万円から6万円の引き下げとなります。
国の理不尽な地方自治への介入を容認するものではありませんが、止むを得ないものと受け止めています。
議員を専業としている私にとって(私だけではないと思いますが)、「6万円は痛い!」のですが、理不尽な公務員給与削減が強要されていることを考えれば、そうも言ってはいられません。
議員報酬の引き下げは、事前に理事者側に申し入れ、特別職の報酬改定と一体で条例改定案になることになりました。議員報酬の引き下げは議会自らの自主的な取り組みであることから、特別職の報酬改定原案に対し、議員報酬分について修正案を提出し議決する方法を追求してきましたが、叶いませんでした。
条例上、特別職の中に議員も含まれているからとはいえ、市議会としての独自の取り組みが、理事者側からの議案に盛り込まれ一緒に議決されるというのは、釈然としないのですが、議会大勢の流れを変えることはできませんでした。残念です。