入札不調に終わっていた新市民会館の再入札が26日に行われ、前田建設工業・飯島建設の共同企業体(JV)が、税込額の予定価格57億8,550万円に対し56億6,790万円で落札しました。
県平均で18%上昇した労務単価や資材費高騰分を加味し、見積もり額を見直し、新たな予定価格を設定して臨んだ再入札で決着がついた格好です。落札業者は、前回の入札で52億4,200万円の最低価格を提示しながらも予定価格を超え、見積もり合わせの段階で辞退した業者です。
とりあえず入札が成立したことに安堵しますが、本体建設工事から外構や植栽部分を切り離しH27年3月の工期に間に合わせるという苦肉の策も取られています。何度も指摘していることですが、工期が短くなったことから、杜撰な工事とならないよう公共工事の品質確保に眼を光らせることが重要です。
また、新市民会館=第1工区の落札によって1億1,760万円の入札差金が生まれたことになりますが、総事業費151億円の見込みがどうなるのかは、まだ明らかになっていません。
既に落札している新庁舎をはじめ8つの工事において、労務単価や資材費の上昇分の協議、契約の見直しが行われることになることから、事業費がどれだけ増大するのか、財源はどうなるのか、市の持ち出し分への影響はどれだけなのか、合併特例債の活用に問題は生じないのか、早期に市民や議会に提示し、理解を求めていく姿勢が問われます。
3月議会で、「151億円の事業費は入札の段階で圧縮できる」と答弁してきていることに、外的要因による事業費増とはいえ、しっかりとした説明責任を果たしてもらいたいと考えます。
新市民会館の建設工事が落札したことから、8月6日に招集される臨時市議会では、庁舎・市民会館に係る工事請負契約が議案となります。全体の事業費や建設工事の見通しについて、明らかにできるものは全て情報を開示する中で、契約議案が審議できるよう強く求めておきたいと思います。