市長の施政方針より

 議会開会日、27日に行われた市長の施政方針からポイントと思われる点をピックアップします。個別の論評は、私自身の質問を経てから行いたいと思います。

並々ならぬ決意??…
 市長は施政方針演説で冒頭、「『みんなの声がながのをつくる』を政治姿勢の根幹に据え取り組んできた」とした上で、中心市街地の再生、集中的な観光キャンペーン、都市内分権の推進、市立長野高校の開校、農業公社の設立、小中学校の耐震化、下水道や長野駅周辺第二土地区画整理事業、周辺町村との合併、市民病院の黒字化など「一定の成果が上がり、道筋が現れてきている施策がある」一方、「公共交通機関の整備、ごみ焼却施設の建設、中山間地域の活性化など「まだまだ  道半ばの施策がある」とし、「一朝一夕には解決しがたい課題であるが、やりたいと言うよりはやるべきこと、何が何でもやらなければならない施策である」と強調。
その上で「新幹線の金沢延伸と善光寺御開帳に合わせた長野駅前広場の整備、中央通の歩行者優先道路化、新庁舎・新市民会館の建設、J1基準を満たすサッカースタジアム整備の完成により長野オリンピック以来の変革の年となるH27年に向け、多様な選択肢の中から市民自らが決め、自信と勇気と責任をもって歩むことで、一つ一つの施策を着実に進めていきたい」と並々ならね決意を表明しました。4期続投への意思表示とも受け取れる内容です。

 新年度の主な施策として取り上げたものから、抜粋で紹介します。

都市内分権の推進…「組織運営や活動は徐々に安定しつつある」との認識を示した上で「住民自治協議会の一層の自立・発展のため、地域における自主的なまちづくり活動に対し、積極的な支援をしていく」
公共交通ビジョンの策定…バス交通の再生・活性化は「路線の整備等のハード面では一応の区切りを迎えた」ことから、「本市における公共交通の位置づけ及び将来像を明らかにし、その実現に向けた施策を体系的に整理するとともに、計画的に展開するための指針となる『長野市公共交通ビジョン』を策定していく」。新交通システムに関しては、「諸課題に対応するために検討すべき事項と導入に向けた検討シナリオをまとめ『新交通システムの導入可能性』(素案)を作成した上で、新年度にパブリックコメントを実施、審議会からの答申に沿って、方向性を決めていく」
ICカードの拡大…ICカードKURURUを市バス・乗合タクシーに拡大するため、システムの二次開発を実施。
長野以北並行在来線の新駅設置…「現時点では、北長野駅~三才駅間の新駅設置が優位」との評価結果に基づき、沿線地区への説明を実施するとともに、設置実現に向けて運行主体であるしなの鉄道など関係機関との協議を進める。
旧屋代線の跡地活用=「千曲川新道活性化プラン」に基づき、新年度に自転車道・遊歩道の概略設計、綿内駅・信濃川田駅のトイレ設置、活用駅舎の耐震診断、松代駅周辺駐車場整備の設計に着手。
エネルギーの適正利用…電力の効率的な利用に向け、スマートコミュニティ構想可能性調査、奥裾花自然園で複数の再生可能エネルギーによる発電と蓄電池を活用した電力需給管理システムの実施設計へ。
ごみ焼却施設の基本同意…地元住民自治協議会の「建設の基本同意書」提出は「大変重いもの」と受け止め、「今後、同意条件の確実な実施、安全で安定的なごみ処理体制の構築に誠心誠意努める」
新たに文芸術振興財団…(仮称)新市民文化芸術会館の運営管理実施計画により、新年度に会館の運営管理を指定管理者として担当する(仮称)長野市文化芸術振興財団を設立する。
新規就農者の育成…「国、市を合わせた新規就農事業対象者は16人に。今後も農業の担い手の確保・育成に努める」、「長野市産の農産物の宣伝や販路開拓を行い『売れる、儲かる農業』につなげていく」
防災対策…総合防災情報システムの整備へ。被災地からの避難者に対し、「市営住宅家賃の減免を入居から3年間に延長するとともに、水道料金・下水道使用料などの減免も国・県に合わせて減免期間をH26年3月末まで1年間延長する」
保育園の民営化…社会福祉審議会からの答申「長野市公立保育所の適正規模及び民営化等基本計画」を尊重し、「新年度に策定する計画に基づき、今後も着実に公立保育所の民営化を進めていく」
いじめ・体罰問題…「今、教育の世界では、体罰が重大な問題になっている」との認識を示したものの、これからの対応は「教員自身が人権感覚を磨き、児童生徒の尊厳を守っていくことを常に念頭に置くよう、今後一層、研修等を通し、教員の資質向上に努める」との総論のみ。
観光情報センターの機能強化…新幹線金沢延伸に向けたJR長野駅者の整備に伴い、長野市観光情報センターの機能強化を図るための再整備を図る。
サッカースタジアム…選定した事業者との基本協定締結を踏まえ、「今後、設計及び建設工事等について、市民の意見を聴くとともに、関係機関と十分調整を図りながら事業の進捗に努める」
新庁舎・新市民会館…「3月末には実施設計を完了する」「これまで説明してきた事業費134億円は、最近建設された他市における類似施設の落札額、すなわち決算ベースの建設費を基にして算出したものであり、これは、建て替えの検討にあたっては、現実の支出額であるけさんベースの金額を前提に検討することが適切と判断したことによるもの。今回の151億円の概算予算額は、追加要因も含んだ金額であり、今後、設計内容を更に精査し入札を実施する」「一方、財源については、補助金増額の見通しが立ったことから、市の負担は、これまでの額を下回る見込み」
「4月開催予定の市政方針市民会議において、内容を説明する予定」
公共サイン…策定したガイドラインに基づき、中心市街地で新年度から順次、案内標識の整備・更新を行う」
駅周辺第二土地区画整理事業…事業期間を2年延長し、総事業費を22億円余り増額とする事業計画の変更案がまとまる」
障害者福祉…「障害者総合支援法の4月施行により、難病等が障害者の範囲に加えられるなど、共生社会の実現に向けた改正が図られるとともに、障害者優先調達推進法も施行されることから、一層の障害者福祉の充実に努める」
子宮頸がん、ヒブ及び小児用肺炎球菌の予防ワクチン接種…定期予防接種となったことから、全額公費負担で継続
水道料金値上げ…料金収入の大幅な減少に加え、高度経済成長期に建設した水道管の老朽化が進み、多額の更新費用が必要になるなど、水道事業の健全経営を継続する上で、財源の確保が重要となっているため、水道料金を平均7.86%引き上げる条例改正議案を提出。市民の理解をお願いする」

「結び」でようやく公共施設白書の問題が…
 「新たな行政改革大綱に基づき、行政そのものの在り方・役割をもう一度問い直しつつ、既存の枠にとらわれない大胆な発想での改革に取り組む」
 「今後、老朽化が進む公共施設やインフラ資産にかかる維持・更新費用がかなりの負担増になると予測されることから『将来にわたり真に必要な施設サービスは何か』『もっもと効果的な施設運営を行うにはどうすべきか』など、作成中の『公共施設白書』を基礎資料として十分な検討を行い、施設の再配置計画や長寿命化計画の策定に向け取り組む」

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