ノーベル平和賞を受賞した日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の代表委員を務める田中煕巳さん(92歳、埼玉県新座市在住)を招き、記念講演会が19日、長野市内で催されました。オンラインを含め500名を超える皆さんが熱心に耳を傾けました。私もZOOMで視聴しました。
田中代表委員は、ウクライナやパレスチナの情勢が受賞にも影響したと述べ、核廃絶に向けた若い世代の参加を呼びかけました。
「被爆者の証言はあと10年が限界だと思う」「被爆者がいない中で核兵器を廃絶しなければならない、核兵器は使ってはいけないという大きな世論が国民の中に無いといけない」「今ちょうど被爆者と次の世代、もっと若い人たちが接することのできる最後の機会だと思う。被爆80年、戦後80年という大事な時を被爆者の証言や被爆の現実を一緒になって明らかにして深めて広めていく作業をやっていただく年ではないかと思う」との訴えが胸に迫ります。
「核廃絶への道は遠いけれども、核兵器禁止条約批准に後ろ向きな政府を動かすのは私たち国民一人ひとり」との熱い想いを共有し、世論を高めていきたいものです。
講演会には自民党の国会議員が参加しノーベル賞受賞を祝う祝辞を述べましたが、本年3月に開かれる核兵器禁止条約締約国会議に日本政府がせめてオブザーバー参加することを求める被団協の訴えには全く言及しませんでした。
日本政府は唯一の戦争被爆国の為政者として、日本被団協のノーベル平和賞受賞を機に、オブザーバー参加する姿勢を明らかにしてもらいたいものです。私たちの力で国も政策を変えさせましょう。