5月3日憲法記念日、信州護憲ネット主催の「市民の憲法講座」が催され、zoom参加を含め約70人が参加しました。
今年の講座は、愛敬浩二・早稲田大学教授を招き、『現在の「改憲/壊憲」動向を読み解く』をテーマに開催。
愛敬さんは、為政者の恣意的な憲法解釈により違憲状態を正当化する解釈改憲が積み重ねられ、今や、緊急事態条項を盛り込む明文改憲の企てが準備される中、集団的自衛権の行使・敵基地攻撃能力の保有による「専守防衛」の転換、武器輸出を禁止した「武器輸出3原則」の転換、非核3原則や防衛費GNP1%枠堅持の転換など戦後日本の基本であった「平和国家」のあり様を清算する「壊憲」が突き進められていることに「憲法の危機」があることを強調。
衆院の憲法審査会で議論されている「緊急事態条項」は、大地震その他の異常かつ大規模な災害時に、憲法で4年任期と定められている衆議院議員の任期を延長できるとするものですが、愛敬さんは「馬鹿々々しいほど小さな論点」だが、改憲派にとっては、「立憲主義による明文改憲」を主張でき、国民にもとっつきやすい「美味しい」論点に他ならないと指摘、大地震などの大規模災害への対応は、災害対策基本法など個別の法律により対応できる事柄であり、衆議院解散のため衆議院が存在せず国会が開催できない場合において、国に緊急の必要が生じたために参議院で開かれる国会の機能を代替する集会=「参議院の緊急集会」(憲法54条)で対応できる規定に基づく対応が基本とすべきと強調しました。
さらに、安保3文書の改訂、敵基地攻撃能力の保有、「台湾有事」を想定した南西諸島への射程距離1,000キロ超のミサイル配備、在日米軍の自衛隊との「統合作戦司令部」の創設など、「戦争のできる国」への「壊憲」が具体的に推し進められていることに強く警鐘を訴えました。
戦後日本は、平和憲法第9条があるから、自衛隊は参戦せず、直接、人を殺すことをしてこなかった、この事実を広く知らしめていくことこそが「改憲/壊憲」を食い止めることができると指摘、憲法を守り活かす運動の広がりをつくることが重要だと訴えました。
憲法講座に先立ち、県護憲連合の取り組みで長野駅前でスタンディング行動を実施しました。右翼団体の皆さんのヤジと妨害、警備陣の多さに長野駅前は騒然状態でしたが、妨害を護憲のリレートークではねのけアピールしました。