安茂里小市の旧海軍壕…横浜日吉台の旧連合艦隊司令部地下壕保存の会と交流

ウクライナ戦争に続くイスラエル・パレスチナ戦争、地球上で広がる戦禍に憂いが募ります。パレスチナの惨劇はイスラエルによる「ジェノサイド」にほかなりません。国際社会が、そして何よりも日本政府が即時停戦、平和的解決に向け動き出すことを願わずにはいられません。

久々のブログ更新です。

11月15日、安茂里小市に一部が現存する旧海軍の地下壕後の保存・公開に取り組む「昭和の安茂里を語り継ぐ会」は、旧海軍が横浜市日吉台の慶応大学キャンパス内に築造した「連合艦隊司令部地下壕の保存に取り組む「日吉台地下壕保存の会」の山田譲運営委員らを招き、小市公民館で「日吉台と安茂里両海軍壕の学習交流会」を開き、私(相談役)も参加してきました。

横浜市日吉台に残る旧海軍地下壕は、太平洋戦争末期、敗戦濃厚の中、本土決戦に備え、連合艦隊司令部(海軍総隊司令部)がおかれた地下壕で、慶応大学の校舎や寄宿舎などの地上施設の利用に加え、総延長5㎞に及ぶ大規模な地下施設が作られ、作戦指揮を行っていました。大本営のある東京や横須賀軍港に近くて、堅固な建物がそのまま利用でき、 空襲を避ける地下壕が掘りやすく、しかも無線の受信にも都合のよい高台であったことが場所の選定理由であったとされます。

日吉台地下壕は慶応大学の管理下にあり、現在は、連合艦隊司令部地下壕のみ見学することができます。

かつて旧海軍連合艦隊司令部が置かれた「日吉台地下壕」の保存の会公式サイトです。地下壕の紹介や写真、見学の案内など。

安茂里地区の住民らでつくる「昭和の安茂里を語り継ぐ会」が、資料提供などで交流があった「日吉台地下壕保存の会」運営委員の山田譲さん、淑子さんご夫妻(ともに東京都在住)を招いた学習交流会です。

山田譲さんは日吉台地下壕から特攻隊や戦艦「大和」の沖縄戦への出撃命令が出された歴史を説明し、「権力者は負け戦と知りながら無謀な戦争を続けた。二度と繰り返さないよう戦争の実相を伝えていきたい」と訴えました。

また、安茂里小市の旧海軍壕について、『旧海軍施設技術官の記録』(伊藤三郎3010設官隊長の回想記より)に記載されている、海軍第300設営隊の山本将雄元隊長の文章…「軍令部の秘令により、陸軍2個師団で6ヵ月かかって完成しつつあった松代大本営用地下工事に対応して、これと別個に海軍側首脳部2千名が入る大工事の施工に着工していた」を紹介し、「安茂里小市の旧海軍壕が、これにあたる」と指摘しました。

安茂里小市の旧海軍壕は約120メートルほど掘削された状態で敗戦を迎えたものの、旧陸軍の松代大本営地下壕工事と旧海軍の大本営地下壕工事が一体的に連動して進められ、陸・海合同で大本営を長野の地に移転、本土決戦に備えた新たな史実の解明につながるものといえます。さらに調査を深めていくことが大切です。

「昭和の安茂里を語り継ぐ会」では、今後、日吉台地下壕の見学を計画し、地下壕が造られた時代背景や保存状況を学び合い、今後も連携を深めることを確認しあいました。

日吉台地下壕は、大学管理下にあり、横浜市行政は保存・公開に積極的には乗り出してはいないようです。また、戦争史跡にも指定されていません。

戦争史跡として、保存・公開を進め、戦争の実相を語り継ぐ「生きた教科書」にしていくことの重要性を改めて痛感しているところです。

「昭和の安茂里を語り継ぐ会」には市議現職のころから「相談役」として参画、市議引退後の役職はともかく、地域の皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。

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