久々のブログ更新です。地域社会を震撼させた中野市の殺害事件、事件の背景が徐々に明らかになりつつありますが何とも痛ましい事件です。現代社会が抱える孤独の深淵が垣間見える事件なのでしょうか。警察官をはじめ犠牲となった皆様に深く哀悼の意を表します。
また、市内篠ノ井東小学校で発生した不審者による学校侵入傷害事件も深刻です。幸い、児童には身体的被害はなく何よりでしたが心理的負担が心配されます。学校施設の地域開放の在り方の検討に波紋を投じる事件です。
さて、長野市は26日の市議会政策説明会で、子どもの医療費を助成する福祉医療費給付金について、R5年1月から対象年齢を所得制限なしで18歳年度末まで拡大することを公表しました。
ようやく実現!高校生までの医療費助成拡大
子どもの福祉医療費の対象拡大は、子育て世帯の皆さんの切実な声であり、議会でも改革ネットをはじめ、市議会を挙げて求めてきた施策で、ようやく実現することになりました。子育て世帯の経済的負担の軽減に確実につながります。朗報の一つでしょう。
とはいえ、高校生までの医療費助成は、県下77市町村のうち74市町村で既に実施済。遅かりし政策判断という側面は否めませんが…。
新年度早期実現ならずも来年1月から実施へ
市は昨年10月に子どもの福祉医療費の対象年齢拡大を社会福祉審議会に諮問、今年2月に「高校生の世代は、心身の全面にわたる発達が急激に進む時期であり、自らの判断で医療機関を受診しようとする行動も増えてくることから、自身の健康状態をコントロールし、改善できるよう支援することが大切である」とし、通院費・入院費について「対象範囲を『中学校卒業まで』から『18歳年度末まで』に所得制限なしで拡大し、速やかに実施することが適当である」とする答申を踏まえたもので、その実施時期が注目されてきていました。
議会内では、私を含め、年度下半期となる9月実施を求める意見を多かったのですが、システム改修や新受給者証の発行等に時間を要することから、来年1月実施となった模様です。
6月市議会定例会に、市福祉医療費給付金条例の改正案とシステム改修費や来年1月・2月拡大診療分経費など4,650万円余を盛り込む補正予算案が提案されます。
子どもの福祉医療費助成は、R3年度末で対象者44,228人、給付額は7億3,100万円。対象年齢の拡大に伴い、対象者は9,572人増で約1億3,000万円の増となります。18歳まで拡大することで給付額は増加しますが、少子化・人口減少の影響により、R12年度(7年後)には、7億2,600万円にまで減少、その後はさらに市の負担が減少していくことが試算されています。
窓口完全無料化の早期実現へ
2月の審議会答申は、対象年齢の拡大が必要であるとする一方で、受給者負担金の窓口無料化については、「子育てしやすい環境整備の取組の一環として、望ましいことではあるが、受給者負担金導入の目的及び経緯、市の将来的な財政負担への影響、また、持続可能な制度としていく観点から、先ずは、対象範囲の拡大を図った上で、段階的な実施を含め、更に検討していくことが適当である」とし、市も同様の考えを示すにとどまりました。
審議会の児童福祉専門部会では、対象年齢の拡大はいわば当然としたうえで、現行、医療機関窓口で負担するレセプト代500円について、「負担があるために受診が抑制される実態があり、窓口無料化が必要である」との意見が続出していました。
窓口完全無料化による市の負担額は約2億円と試算されます。答申の「段階的な実施を含め、さらに検討」とした点を、市行政が棚上げ・先送りすることなく前向きに受け止め、対応を急ぐことが重要でしょう。特に「段階的実施」について、「未就学児」を「第一段階」として具体化することを求めていきたいと考えます。
窓口無料化のハードルが高い理由には、県が500円の受給者負担金を存続する「現物給付方式」を県下統一方式としていること、国が窓口無料化により国民健康保険の国庫補助でペナルティを課していること(見直しの検討が進むが先行き不透明)などがあげられます。県はもとより、県をリードする市の決断が問われるところでしょう。
私は、子どもの福祉医療費助成の拡充については、一義的に、異次元の子育て支援を掲げる岸田政権のもとで、高校生までの医療費助成を全額国庫補助で実現するとともに国保補助金のペナルティを廃止し、市町村格差をなくすことが必要であると考えます。
このことが直ちに実現できれば良いのですが、そうもいかない現実に照らし、二義的には県が市町村に対する補助を拡充することです。
現行、県の市町村事業補助金は、入院が「中3まで」(H27年4月~)、通院に至っては「小3まで」(R4年4月~)にとどまっているからです。
県補助対象外は市町村の一般財源対応となります。県補助の抜本的拡充が必要です。
子どもたちの健やかな成長のために!経済格差により子どもの健康が損なわれないために!