新型コロナ感染症「5類」に…自己負担・自己責任強まる

5月8日から新型コロナウイルス感染症が感染症法上、「2類」から「5類」に移行し、季節性インフルエンザと同様の対応に基本的に転換、個人の判断、責任で対応することになりました。

世界保健機構(WHO)は5日に緊急事態宣言の終了を発表し、世界的にも対策緩和が本格化することになります。

3年簡余にわたるコロナ禍から、日常を回復させていく方向は了としつつも、変異ウイルスによる流行「第9波」の到来が予想される中、感染拡大時の医療のひっ迫や死者の急増が懸念されます。国には感染拡大状況やウイルスの変異性に警戒を怠らず、後手に回らない的確で柔軟かつ慎重な対応を求めたいところです。

8日を境に空港や飲食店、企業内食堂などで体温検査器・消毒液・アクリル板の撤去が進む様子が報じられていますが、「えっ、消毒液も?」といった違和感が残ります。基本的な感染予防対策は維持・徹底したいものです。

何が変わるのか、マスコミでも報道されていますが、長野市的な状況、課題を含めて整理しました。なお、資料は毎日新聞の記事が分かりやすいので転載させてもらいました。

これまで外来対応は、指定されている診療・検査医療機関に限定されてきましたが、5類移行に伴い、すべての指定医療機関は自動的に「外来対応医療機関」に移行し、原則として、長野県がHP上で公開するとともに、広く一般的な医療機関で対応するため、感染対策や応招義務(原則、医療機関は診察を拒否できない)を確認の上、発熱患者等の受け入れ準備を要請していくことになります。しかし、どれだけの医療機関に応じてもらえるのかは今のところ未知数です。

➡現在の県内の外来対応医療機関は722施設、長野市内では132施設です。医療機関名は下記の長野県ページ【外来対応医療機関】をご覧ください。

長野県では5月7日までは577の病床が確保されていますが、8日以降9月末までに入院総定数として800床の受け入れ準備を図るとします。長野医療圏では10医療機関で最大124床を確保してきていますが、県の計画に応じて9月末までに208床の受け入れ準備を図るとしています。しかしながら、医療機関に対する病床確保料や休床保障は現在の半額で9月末までとされ、10月以降は終了も含め見直されることになっています。入院診療にも応招義務が課されますが、十分な補償の見通しがないまま、病床確保を要請することになり、医療機関の理解が得られるのか、細部のさらなるツメが必要でしょう。

また、入院調整は当面は市保健所が行いますが、9月末までには医療機関の間で調整する仕組みに移行するとされます。

外来診察及び入院治療の医療費は公費負担から原則自己負担になります。長野県のHPで例示されている自己負担額の目安を示します。

また、発熱などの症状がある場合に現在は無料で受けられる検査ですが、検査費用の公費による支援は終了するため、自己負担となります。医療機関で行う検査で検査キットを使用する場合でも、自己負担で行うことになります。下記に「自己負担額の目安」について県のHPより転載します。

★長野県ホームページより


コロナに感染し療養期間中の外出自粛は解禁され、個人の判断に委ねられます。ただし、「推奨されること」として、◉発症の翌日から5日間は外出を控えること、◉症状が軽くなってから24時間程度は外出を控えることが目安として示されました。

5日間の療養期間のあとでもリスクはゼロにはなりません。自宅療養が必要な期間を5日間にして、その後、10日目くらいまではマスクをして他の人にうつさないように注意しようという考え方です。少なくとも「推奨される」感染後5日間の自宅療養について、企業や事業所の理解を求めていくことが重要でしょう。

マスク着用は既に緩和されていますが、3密回避や手指消毒や検温が個人や事業者の判断に委ねられることには、違和感を禁じえません。変異株による「第9波」が懸念される以上、感染防止策の徹底は必要ではないでしょうか。せめて「推奨」するくらいの対応はに次用です。

65歳の私の所には4月下旬に「6回目」の「ワクチン接種の案内」が届きました。23年度内は「春夏」と「秋冬」の2回にわたりワクチン接種が公費負担で行われます。オミクロン株対応ワクチンの接種となります。12歳以上・65歳未満の方にはワクチン接種を呼びかけたいと思います。


いずれにせよ、5月8日をもって、医療体制や感染者の費用負担などが、これまでと大きく変わります。自己負担・自己責任が強まります。しかし、感染者が下どまりから徐々に増加傾向にあること、今後、大きな流行「第9波」が起こる可能性が高いとの専門家の指摘もあることから、自己負担になることで発熱などの症状がある場合に医療機関で診察することを戸惑い重症化しないように、また感染者・濃厚接触者の拡大により医療機関がひっ迫しないように、国対応はもちろんですが、自治体(長野県。長野市)において万全の対策を講じるよう強く求めていくことが重要だと考えます。

長野県が作成する「移行計画」に注視するとともに、長野市としての対応に抜かりが無いようチェックしていきたいと考えます。

➡下記に長野県の「新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う対応の変更について」、長野市の「新型コロナウイルス感染症の5類移行後の対応について(5月8日以降のこと)」のページ、NHKの「コロナ5類移行 医療体制や費用負担 5月8日からどうなる?【Q&A】」のページを参考までに案内します。

【NHK】新型コロナの感染症法上の位置づけが、5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行することが正式に決まりました。

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