5月3日は76回目の憲法記念日でした。
事務局長を務める長野県憲法擁護連合(護憲連合)は、JR長野駅前で「新たな戦前にさせない!平和憲法を未来に!」をアピールしスタンディング行動に取り組みました。
また、信州護憲ネット主催で「市民の憲法講座」が催され、辰野町在住のドキュメンタリー映画監督、鎌仲ひとみさんが「暮らしの中にある核と私たち」と題して講演。
1991年の湾岸戦争、その後のイラク戦争で使用された劣化ウラン弾により、イラクでは子どもたちに白血病やガンが多発。経済制裁下で十分な治療を受けることができず死んでいった子ども達。そして劣化ウラン弾を製造する米国の核兵器工場の周辺では”被爆者”が続発している現実を追い続けてきている鎌仲さん。既に核兵器開発国を中心にグローバルな放射能汚染が進み、加害者と被害者の区分がなくなっていることに警鐘を鳴らす…。
際限のない軍拡競争は「核戦争」による破滅的危機を引き起こしかねない岐路に私たちを立たせている厳しい現実を注視すべき時でしょう。
世界では、少なからぬ国々と地域で戦火はやまず、わたしたちの日本でも「新たな戦前」という言葉が現実味をもって語られる時代になっているのではないでしょうか。
昨年2月、ロシアは2度にわたる世界大戦を経て人類が獲得した国連憲章の「国際紛争を平和的に解決する原則」に反し、ウクライナへの軍事侵攻を開始しました。このウクライナでの戦争は多くの人々の犠牲を伴いながら、1年以上をすぎてもいまなお収束の兆しがありません。ロシア軍の即時撤退・停戦が切実にのぞまれています。
しかし、逆に東アジアでもこれを口実とした軍事的緊張がつよまっています。
岸田政権は昨年末、「台湾有事」などの危機を煽りながら、閣議決定のみで「安保3文書」採択を強行し、軍事費の対GDP比2%、5年間で43兆円という異常な軍拡を企て、従来からの「専守防衛」原則を投げすて、敵基地攻撃能力の保有と南西諸島のミサイル基地建設強化をめざすなど、日米同盟を支えに、戦争する国への道を突き進んでいます。
憲法9条にもとづいた外交努力による近隣諸国との友好共存関係の積み上げを怠り、列強との軍事同盟や軍事協力を強化し、軍事力を強化して緊張を煽り立て、いたずらに他国を誹謗し、戦争の危機をあおり立てるこの道は、日本を際限のない軍拡競争にひきずりこみ、やがて壊滅的な戦争の勃発を招きかねないものです。この道は日本がかつて歩んだ道に他なりません。
いま通常国会では、衆参両院で3分の2の議席を占めるに至った改憲勢力によって憲法審査会がひんぱんに開催され、憲法への自衛隊の明記や緊急事態条項の新設など、憲法改悪への議論が強引に進められています。
私たちは現在の審査会の論議が、戦争の危機を煽りながら進められている軍事大国化、「戦争する国」づくりの正当化のため、性急な憲法改定のみを求めるものとなり、憲法が示す平和・人権・民主主義の理念の実現を真剣に議論するものになっていないことを深く憂慮します。
日本国憲法施行76周年にあたる5月3日、平和を希求する全世界の人々と連帯し、なかんずく戦禍の下で苦しむウクライナやミャンマーなどの民衆に連帯して、憲法9条を掲げ世界の市民とともに反戦・平和の実現にとりくみたいものです。
今、この時の平和を永遠に!
憲法記念日の日…長野市街地では「獅子舞フェスティバル」「善光寺表参道花回廊」で賑わいました。
子ども達に戦禍のない平和な未来を!