ロシアがウクライナへの侵攻を始めてから2カ月となります。ロシアはウクライナの民間人を無差別に攻撃・殺害、首都キーウでは多数の民間人の遺体が残され、マリウポリでは大規模な集団墓地が発見されるなど、残虐行為が次々に明らかになっています。「戦争犯罪」は断じて許されません。何よりも尊ばれるべき「命」の尊厳を破壊する無益な戦争は直ちに終わらせなければなりません。なぜ、止められないのか。深い怒りを憤り、焦燥感が重く募ります。
侵攻2カ月を前に23日、ロシアのウクライナからの即時撤退、即時停戦、そして人道支援を求め、JR長野駅前でリレートークを実施しました。県護憲連合や県憲法会議など6団体の共同行動です。
ウクライナ国内でどれだけの民衆が犠牲になったかは不明ですが、南部のマリウポリでは2万人が犠牲となったと伝えられます。国内では157万人が人道的支援と保護が必要とされ、国外に避難した民衆は500万人を超えています。ロシア兵もウクライナ兵もそれぞれ死者が1万人を超えたとされますが、実態は定かではありません。
ロシアのウクライナ侵攻に一片の道理も正義もないことは明々白々ですが、アメリカを中心に莫大な軍事支援が行われ、ウクライナの「徹底抗戦」を支えていること、ロシアに対抗するアメリカの代理戦争となっていることにも目を向けなければいけないと考えます。
戦闘行為の即時中止と人命救出・人道支援を実現させるときです。
リレートークでは、若者代表で市内在住の櫻井結さん(18歳)が「現実の戦争に関心を持ち続け、平和を実現しよう」とアピールしました。
この日の人道支援カンパには1万3千円余の善意が寄せられました。ウクライナ避難民の食糧・医薬品支援に活かすため、チェルノブイリ連帯基金を通じて、現地に送金します。
国連のグテラス事務総長が26日にプーチン大統領と会談します。引き続き28日にはゼレンスキー大統領と会談する計画とされます。
停戦実現、人道支援強化に希望を見いだせることを願わずにはいられません。
一方で、憂慮すべき事態が日本国内で進行しています。安倍・元首相の「核兵器共有」発言、そして国家安全保障戦略の改定を巡り、自衛隊が敵基地攻撃能力を保有し、防衛費をGDP2%・10兆円に拡大させようとの動きです。
「反撃能力」と言い換えようとも、先制的に敵基地を攻撃する本質は変わりません。「攻撃的な脅威を与える兵器は保有できない」とする、これまでの憲法解釈を根底から覆し、「専守防衛」という日本の外交安保の基本姿勢をかなぐり捨てる暴挙といわなければなりません。
憲法9条…➊日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。➋前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
改めて、憲法の崇高な理念をかみしめるときです。