3月市議会定例会…新年度予算案可決し閉じる

3月22日、長野市議会は、総額1,622億7,000万円の新年度一般会計当初予算案、総額31億9,000万円を追加するR3年度一般会計補正予算など予算関連の22議案をはじめ、新産業創造推進局の新たな設置や交通政策に関する事項を都市整備部から企画政策部に移管する市部設置条例改正案など条例関係13件等、市側から当初提出された全ての議案とともに最終日に追加提案された除雪費を2億6,800万円増額(除雪費14億7,600万円に)する一般会計補正予算案と、副市長を新たに選任する人事案などを可決し閉会しました。

予算原案賛成多数で可決

荻原市長にとって初めての通年予算編成となった総額1,622億7,000万円の新年度一般会計当初予算案は原案通り賛成多数で可決しました。

改革ネットは予算原案に賛成し、鎌倉ひかる議員が賛成討論しました。

新年度予算案の特徴として、➊必要な社会保障関係経費を確保したうえで、喫緊の課題である新型コロナ感染症対策や台風災害からの復興に対応、➋市長が掲げる「健幸増進都市」の実現に向け、子育て・教育・福祉、善光寺御開帳を契機としたまちの賑わい創出、スマートシティや行政DXの推進、公共施設の老朽化対策の着実な実施に重点配分、➌市債残高(借金)を減少させ、財政調整基金(貯金)の取り崩しを抑制し、健全財政を維持の3点が強調されます(再掲)。

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荻原市長が掲げる政策・施策のアップデート・バージョンアップという観点からみると、こども総合支援センターの開設によるワンストップの子ども・子育て相談体制の拡充、新産業創造推進局の創設による新産業の創出と雇用の場の創出、ゼロカーボン事業の展開、不妊治療への市独自の助成などに改善・拡充がみられるものの、全体的には加藤市政の施策の継続が基調になっているものと受け止めています。子ども医療費無料化の年齢引き上げや学校給食費の段階的軽減など子育て支援策の充実がさらに求められます。

2月24日、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めてしまいました。いかなる理由があろうとも、主権国に軍事力を行使することは国際法に違反し、断じ...

喫緊の課題であるコロナ感染症対策、災害復興・被災者支援、公共施設の見直し、貧困と格差の拡大にしっかり着目した生活支援など、予算執行を厳しくチェックするとともに、新たな政策・施策提言に力を尽くす所存です。

共産党提出の予算修正案には賛同せず

共産党議員団から提出された当初予算案に対する修正案には賛成しませんでした。

修正案は子どもの医療費窓口無料化の対象を高校3年生にまで引き上げるための経費の増額と、善光寺御開帳関連イベントである日本一の門前町大縁日を中止し経費を減額することを内容とします。

正直、心が動く予算修正案でした。こどもの医療費無料化の対象年齢の引き上げは、私たちも求めてきている施策で全く異論はないのですが、善光寺御開帳関連イベントの中止については、私的には感染状況に鑑み重要な選択肢の一つと考えていますが、会派としては慎重な対応が必要との判断に立ち、修正案には賛成しませんでした。

高止まりする市内のコロナ感染状況を考えると、必要な感染防止策の徹底で感染拡大を止めることができるのかとの危機感は共有しますが、善光寺御開帳の節目節目の行事の縮小、関連イベントである「大縁日」の規模縮小など、行事主催者が作成する「感染防止安全計画」の実効性をきめ細かく検証し、予算をどのように執行するかといった検討がより重要であると判断したものです。

副市長に西沢雅樹・現企画政策部長を選任

樋口副市長の辞任に伴い、新たに現企画政策部長の西沢氏を登用する副市長人事案が提案され、全会一致で同意しました。

改革ネットは副市長の2人制、女性の登用を求めてきていますが、荻原市長は副市長2名制・女性の登用には慎重で、熟慮すると答弁するにとどまっています。

副市長の2人体制・女性の登用は引き続き求めていきますが、新任の西沢副市長にあっては市長のイエスマンになることなく、市民の声、市民益に十分に心を配り、必要な政策・施策の実現に向け市長を補佐する役割を全うされることをまずは期待したいと思います。

3月議会の論点…

最終日の論点の一つが、原油の高騰を受け市民から提出された「揮発油税のトリガー条項発動求める請願」でした。改革ネットは請願に賛成しましたが、賛成少数で否決となりました。

トリガー条項発動を国に求める請願の論議や、3月議会の論点、私が所属する福祉環境委員会での論議のポイントは、これから随時まとめていきたいと思います。

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