14日、議会運営委員会が開かれ、懸案の議会改革に向けた取り組みがスタートすることになりました。
昨年9月の改選後、長野市議会基本条例を検証し、さらに議会活性化を図るため検討を進めようと市議会議会運営委員会(以下、議運)で合意し、年内には会派ごとに検証状況をまとめ、年明け1月には、「検討組織」を議長諮問機関として設置することを確認、2月の議運では検討組織の名称を「議会基本条例検証・議会活性化検討委員会」とすることで合意したものの、検討組織の構成を巡り紛糾、今日までの時間を要してしまいました。
検討組織の構成について、市民ネットとしては「会派の構成人数に準じ、新友会5人、共産・改革ながの・公明各2人、市民ネット1人、無所属1人の計13人」で構成することを提案。また、5人で会派を組む共産・改革ながの・公明の3会派も複数の委員選出を求めました。しかし、最大会派の新友会は「検討組織での過半数確保」を公然と主張「新友会5、他の4会派各1、計9人で構成」とする案に固執。しかも、議運の場における検討組織への参画意思の確認に対し1人の無所属議員が意思を表明したにもかかわらず、この意思を反故にする始末で、議論は平行線を辿ってきました。
議会活性化の取り組みは、多数決で決めるものではなく、会派の意見の違いを乗り越え、議論を尽くし合意した事柄について互いに責任を持って取り組むことが基本です。過半数という数の力に拘泥すること自体、議会活性化の本質を見誤っているものと言わざるを得ません。
とはいえ、構成が決まらないまま、無為に時間が経過し、活性化の中身の検討に入れないことは不幸であるばかりか、市民に対する議員の責任を果たせないことから、市民ネット・共産・改革ながの・公明の4会派で打開策を協議、「複数委員の選出が基本ではあるが、活性化の検討を具体的に進めることを最優先し、各1人は止む無しとする。但し、参加意思を表明した無所属議員の参画を保障し、計10人で構成する」譲歩案を取りまとめ、かかる案を8日、議長に対し、議長調停案として市議会をまとめるよう申し入れました(申し入れは公明を除く3会派で実施)。
私たちの申し入れに対し、議長が「5人で構成する3会派は、会派人数に比率では1.3人になることから、3会派で1人増員し、計10人とする議長案」を私案として提示したことから、増員1人分を無所属議員とすることも可であることを確認しつつ、議長裁定案で最大会派を説得するよう強く要望してきました。
こうした経過を踏まえ、14日の議運の冒頭で、議長案が提起され、全体で確認する運びとなりました。概ね9月定例会までに議長への答申をまとめることになります。最終的には議会運営委員会で答申内容の可否について協議することになりますから、議会改革を形にしていくには、まだまだハードルはありそうです。
議運の委員である私からは、今後の運営において、検討組織における検討状況を中間報告の形で市議会全体で共有し、市議会の総意を形成していく取り組みとなるよう注文しました。
改選から既に8カ月、議会基本条例の検証と更なる議会活性化の取り組みは、ようやく入口です。遅れを取り戻すスピード感のある検討が求められます。
ところで、本会議場における手話通訳と傍聴席での要約筆記の導入が6月議会で試行されることになりました。開かれた議会の観点から早くから求めてきた課題の一つ、試行を通じ本格運用に持っていきたいと思います。
*関連記事=1月19日のブログ「議会改革度ランキング~長野市議会の議会改革の今」より
*市民ネット「議会基本条例の検証と今後の課題」[2011.12.28]