22日夜、新型コロナウイルス感染症対策有識者会議の初会合が開かれ傍聴しました。
新型コロナ感染症の状況を踏まえた感染予防・感染拡大防止策や保健・医療体制のあり方、市民生活、社会経済活動を踏まえた感染症対策のあり方等について専門的立場からの意見を市の取り組みに反映させることを目的にしています。
荻原市長が公約に掲げた、感染対策と社会経済活動の両立に向けた庁内「感染症対策チーム」を外部メンバーによる専門的有識者会議として具体化するもの。
委員には、公衆衛生の専門家をはじめ、長野市医師会・薬剤師会、長野赤十字病院・中央病院・松代総合病院の医師や看護師に加え、商工会議所・㈳長野経済研究所の代表らが参加、座長に市医師会の児玉央(ひろし)・感染症対策委員長を選びました。
※因みに12月議会の福祉環境委員会で、有識者会議に長野市民病院の医師も加えるべきと提案しました。新しい市民病院の中期目標に「新興感染症対策の充実・強化」が盛り込まれたからです。公的病院の代表が「有識者会議」に加わることの意義は大きいものと考えますが、保健所長は「医療機関との連携は別途構築されているため必要ない」との考えを示しました。説得力のない答弁です。
初回のこの日は、市側から感染症の発生状況及びこれまでの対応や医療体制などが報告説明され、来年の善光寺御開帳関連事業における感染症対策の「基本的な考え方」の素案が示され、意見交換されました。
【関連=長野市HP⇒感染症有識者会議のページ】
国・県では、参加者5,000人超かつ収容率50%超のイベントについて主催者側に「感染防止安全計画」の提出を求め、また安全計画を提出しないイベントについては、感染防止チェックリストの作成、HPでの公表及びリストの1年間保存を求める感染防止策をまとめていますが、市は、国・県の方針を踏まえ善光寺等の対策の検討を支援するとします。
また、「感染拡大時の対応」では、「発生状況、国・県の対策などを踏まえ、連携・情報共有を図りながら、事業の縮小、休止、中断などを検討する」とし、ワクチン接種歴や陰性の検査結果を確認する「ワクチン・検査パッケージの活用の適否を検討する」としています。
「基本的な考え方」について、委員からは「主催者に考え方を徹底し、対策が十分か、定期的なチェックが必要」と指摘されるとともに、大型連休中の診療・検査態勢の確保に向けた十分な準備を求める意見も出されました。
さらに、感染警戒レベルが下がる段階での市民・社会経済活動の再開の目安を具体的に示す必要性が指摘されました。
ワクチン接種では、718事業所8,600人に実施された職域接種について、3回目も同様の接種方法を考えていること、市が行う集団接種はこれまでの「ファイザー」製ではなく「モデルナ」製ワクチンで計画していることを市が明らかにしました。
私はこれまで、市が設置する「有識者会議」について、県が医療関係者により設置している「感染症対策専門家懇談会」と異なり、商工会議所など経済団体が構成メンバーに入っている点が「ミソ」だし、経済再生への取り組みにお墨付けを与えるだけの機関にならないか要チェックであると指摘してきましたが、初回の会議では、経済団体からは感染拡大防止策の徹底と社会経済活動の再開への慎重な姿勢が強調されているとの印象を持ちました。
背景に「オミクロン変異株」の世界的な流行、国内での市中感染の広がりがあるものと思われます。
新型コロナ感染症対策特措法で、保健・医療体制の整備等は県の権限とされていることから、中核市であるとはいえ限界があり、「国・県の方針を踏まえた対応」にならざるを得ない状況にありますが、対策が的確に実施されているのか監視・指導する責任は市にあります。また、感染者に対する誹謗中傷の防止策も市の大きな仕事となります。
県との連携が十分に図られているのかも要チェックでしょう。
有識者会議の意見・提言が有効に作用するよう注視していきたいと思います。次回は2月26日です。