6月市議会定例会閉じる

25日、長野市議会は7億1,700万円余を追加する長野市一般会計補正予算案、放課後子ども総合プラン=児童センター・こどもプラザの延長利用に伴う料金を見直す条例改定案(現行30分350円を30分500円に引き上げ)などの14議案に加え、最終日に追加提案された、新型コロナの影響で困窮する世帯への支援金4,800万円を盛り込む一般会計補正予算案など、市側から提案された16議案をすべて原案通り可決し閉会しました。

市から提案された議案には賛成しました。

「沖縄戦遺骨混入土砂を辺野古埋め立てに使用しないよう求める意見書」、全員賛成で可決

請願採択に基づき、「地方財政の充実・強化を求める意見書」「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を辺野古新基地などの埋立てに使用しないよう求める意見書」が全会一致で、「学校教育におけるデジタルトランスフォーメーションを適切に進めるための意見書」は賛成多数で可決しました。

昨日6.23の沖縄戦没者追悼式で、玉城デニー知事が平和宣言の中で「国の責任において一日も早いご遺骨の収集、不発弾の処理を行ってほしい」と遺骨...

長野地区原水禁から提出され紹介議員となっていた「トリチウムなどの放射性核種を含むALPS処理水の海洋放出方針決定の撤回を求める請願」は賛成少数で否決となりました。

また、本年8月から介護保険サービス利用者の低所得者(市民税非課税世帯)を対象とした補足給付(施設・短期入所者の居住費・食費に対する負担軽減制度)が見直され、負担増となる問題で、この「補足給付の見直しの中止・凍結を求める請願」も賛成少数で否決です。私は請願採択に賛成しました。

「働く女性の家」の講座存続を求める請願、可決

長野市が本年度末で機能を廃止する方針を示している市内2カ所(柳町・南部)の「働く女性の家」の利用者から提出されていた「廃止後も講座の継続を求める請願」は全会一致で可決、市に対して請願の処理の経過及び結果の報告を求めました。

「役割終えた」とされるが…

1972年施行の「勤労婦人福祉法」や1986年施行の「男女雇用機会均等法」に基づき、女性労働者の福祉増進や社会参加を目的に開設された「働く女性の家」は、1999年施行の「男女共同参画社会基本法」や2015年施行の「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」により、男女共同参画、女性活躍推進、ワーク・ライフ・バランスの実現などに施策がシフトする中、女性労働者の福祉増進等を目的とした社会参加型事業を推進する「働く女性の家」の役割は終了したとし、「勤労者女性会館しなのき」の施設活用および「男女共同参画センター」の施策充実に移行させる考えです。

そのため、公共施設マネージメントの観点から、「柳町働く女性の家」は防災備蓄倉庫に転用し、中心市街地の防災拠点として活用、「南部働く女性の家」は南部地域における勤労者福祉・女性活躍推進の施設としての活用を検討するとします。

新たな法整備が進む中、「働く女性の家の役割は終えた」とされるのですが、当該施設の在り方を含め、男女共同参画推進の観点から、どんな事業に継承していくのかについて、市民合意の形成が欠かせません。

「男女共同参画」のこれからの施策展開問われる

2施設はともに年間約3万5千人に利用されています。施設本来の目的である男女共同参画講座や再就職支援講座の利用者は柳町で4,922人(13.7%)、南部で2,262人(6.6%)、趣味の講座や計運動の講座が約5割となっています。また、女性の家主催の講座修了者の皆さんによる「育成グループ」の活動の拠点ともなっています。

女性を中心とした自主的な講座の継続は至極もっともな声です。議会は請願採択にあたり講座継続のため近隣施設の利活用を全庁的に連携し最大限の努力を求めてきたところです。

市では、「勤労者女性会館しなのき」の指定管理に加え、「男女共同参画センター」業務の指定管理を打ち出しています。相談業務を含め指定管理とする考えです。民間のスキルを十分に承知していませんが、慎重な検討が必要でしょう。

ジェンダー平等の考えに基づく「男女共同参画事業」の新たな展開が求められている時だけに、市直営による責任ある事業展開が問われているのではないでしょうか。

「安全・安心な東京オリンピック開催を望む(市議会)決議を求める請願」は否決

市民から提出された「安全・安心な東京オリンピック開催を望む(市議会)決議を求める請願」は、所属する経済文教委員会で審査され、全員が「不採択とすべき」となり、本会議でも否決されました。賛成議員は2人でした。

今夏の東京五輪を巡っては、「中止」を求める世論が依然として3割を超える中、政府や大会組織員会は、7月11日までにまん延防止等重点措置が解除されることを前提に「上限1万人」の有観客での開催を決めました。政府の対策分科会・専門家の「無観客開催」の提言を無視する決定です。

専門的知見に背を向け、またコロナの感染状況に応じた開催基準も曖昧なまま、「開催ありき、有観客ありき」での方針決定に対し、不安が拭える状況にはなっていないことから、市議会としての決議はなじまないと考え、委員会では「不採択」を選択、本会議でも否決の態度を明らかにしてきました。

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