長野市議会は16日から18日の一般質問を終え、来週21日・22日、付託議案の委員会審査を経て25日の最終日・議案採決日を迎えます。
一般質問では、64歳以下の市民のコロナワクチン接種計画、職域接種・学校接種の動向と対策、流域治水、個別避難計画の作成、長沼地区の災害公営住宅の建設、南部図書館の整備方針、働く女性の家の廃止方針、ヤングケアラーへの支援、東急REYホテル前の喫煙所設置、行政のデジタル化などが論点となりました。
➡さて、今頃ですが、加藤市長は16日、最大会派・新友会所属議員の進退を問う質問に、「駅伝のランナー」に例え「たすきを次のランナーにつなぐことが大切。長野市の次なる発展は、新しい市長にしっかり託していきたい。残り5カ月、今までと同様に全力で取り組む」と述べ公式に引退を表明しました。
➡「長野を元気にする、ガラッと変える」を訴え初当選して以来7年7カ月、基本的に前鷲沢市長時代の10大プロジェクト事業、第一庁舎・芸術館の建設、サッカースタジアムに整備などを引き継ぎ仕上げる一方、第一庁舎建て替えに伴う庁舎前広場の立体駐車場整備方針を緑町立体駐車場の整備・広場の拡大に転換、また冬季五輪施設「スパイラル」の冬季休止を打ち出し実現してきました。
➡子育て先進都市をめざし、こども未来部を創設するともに、妊娠・出産から子育て期の様々な不安や悩み事について、専任の保健師が相談に応じ切れ目のなくきめ細やかな支援をする「ながの版ネウボラ」(妊娠・出産包括支援事業)をスタート、こども相談室の機能を拡充する一方、放課後子ども総合プラン(児童センター・こどもプラザ)の有料化に踏み切りました。
➡健康寿命の延伸に向けては、人生100年時代を見据え、75歳以上を高齢者と呼ぶ松本市との共同宣言をはじめ、ながのベジライフ宣言やフレイル予防の施策化など、市長ならではのアイデアある取り組みも展開されてきました。
➡公契約等基本条例の制定も評価すべきでしょう。でも、こどもの権利条例や自治基本条例の制定、LGBTなど性の多様性を認め合う施策展開には後ろ向きといわなければなりません。
➡また、自治体にとって喫緊の課題である地域公共交通網の再構築には基本的に現状維持にとどまりました。
➡「ガラッと変えられたか」という点から考えると、超少子高齢社会にあって、かじ取りの難しい時代局面のもとでは、無難なかじ取りであったように受け止めています。「元気玉」など賑わい再生には積極的でしたが、地域主権、市民が主役の市政が求められる中、とかく国の政策・施策に追随し、市民の暮らし向き、市民の願いに真正面から向き合い課題解決を図る姿勢には課題を残しているのではないでしょうか。民間の発想を生かすことを否定する考えはありませんが、民間との連携を重視するあまり「公共の役割」が疎かになってはいないか、深く検証することも必要でしょう。
➡とはいえ、年齢を感じさせないフットワークの軽さで、現場に足を運ぼうとする政治姿勢は評価しています。とりわけ、台風19号災害からの復旧・復興、新型コロナ対策など、課題を残しつつも尽力し一定の道筋を作ってきた点は「お疲れ様」とその労を率直に労いたいと思います。
加藤市政の評価と課題については改めて整理したいと思います。
さて、ポスト加藤です。市民の皆さんが幸せを実感できる市政の実現に向け、選択肢を提供できるよう探りたいと考えます。