21日から始まる高齢者対象のコロナワクチン集団接種の予約受付を前に長野市は19日、集団接種会場の増設等を発表しました。既に今日付の信毎や市民新聞に大きく報道されていますが、別な視点も含めての報告です。
7月末までに約3万人の集団接種完了めざす計画へ
エムウエーブ、ビッグハット、長野保健医療大学の3カ所を追加し、日曜日は午前の時間帯にも拡大するもので、7月10日までの1回目の接種7日間で、当初の最大5,670人から30,510人への拡大を見込み、2回目の接種を7月31日までに完了させるとします。
エムウエーブは1コマ時間帯(3時間)で1,620人~2,970人、ビッグハットは1,890人~3,240人を予約定員としています。
また、今回の見直しでは、7月10日(土)の1回目接種を追加しています。
➡この集団接種体制に必要な医師は延べ864人、看護師は同2,016人と想定され、看護師の代わりに薬剤師がワクチン管理などを、歯科医師が接種を、それぞれ担当することも検討しているとされてきました(5/14信濃毎日新聞)。
基本的に医師会・看護師会による医師・看護師の確保に目途がついたということだと推察しますが、大変なご苦労をいただくことに感謝申し上げるものです。
➡コールセンターも大変です。集団接種の会場増設や予約方法の変更(後述)はマスコミ報道・新聞記事を通してしか知る由がなく、21日からのコールセンターでの予約では、計画の見直しの説明から始めることになるからです。「広報と違う」といった声も想定されます。市民の皆さんの冷静な対応を願いますが、日程的に他の方法での周知が困難な状況下(広報ながの6月号には掲載)、せめてコールセンターの回線拡大の対応が必要であると考えます。国による振り回され感が否めないところです。
「泥縄」にならないことを願う
市ではこれまでに、かかりつけ医等による個別接種を基本に、これを補完するため集団接種を行うとし、6施設の集団接種会場で5月29日~7月4日の土・日曜の6日間の日程を市民に示してきました。個別接種と合わせて8月のお盆前までに接種を終える想定でした。
菅首相が高齢者接種を7月末までに完了させる方針を打ち出し、総務省が計画の前倒しを自治体に迫っていることを踏まえた対応ということでしょう。
7月末までに、集団接種で約3万人の接種(2回目接種まで)を完了させる計画ですが、かかりつけ医における個別接種の現状と見通しは定かではありません。
➡保健所の労は「多」としますが、大規模施設の会場運営などは民間に委託されていることもあり、安全な接種環境、副反応への臨機応変な対応をはじめ万全な体制となるのか十分なチェックが必要です。
➡「泥縄」にならないことを切に願います。私としては7月末にこだわらず、安全・安心を最優先にした接種体制の構築がより必要だと考えています。そもそも7月末までの完了は現実的ではありません。
➡また、ワクチン接種を担当する医師・看護師の接種完了が必要です。医療従事者の優先ワクチン接種は県が調整・管理していますが、現状は公開されていません。全国では、5月18日現在で、1回目終了が77%、2回目終了は42%という状況です(NHK報道より)。
予約方法も変わります
基礎疾患のない高齢者を対象にする集団接種の予約は、長野市ワクチン接種コールセンターに電話し、接種の日時・場所を確定することにしていましたが、予約時の混雑・混乱を回避するため、後日、市からの折り返し電話で日時・会場を確定する方法に変更になりました。
まずは、コールセンターに電話して、「氏名」「電話番号」「希望会場」を登録することになります。
市は、希望会場の申し込み状況に応じ日程を調整したうえで、市からの折り返しの電話で日時・会場を決定することになります。
市職員になりすました「詐欺」に要注意です。
エムウェーブ会場とビッグハット会場は、長野駅東口のユメリア・バスパークからシャトルバスが無料で運行されます。
予約段階における課題を洗い出し、今後に活かすことも必要
ワクチン接種の予約を巡り全国的に大混乱しています。長野市でも5月12日から始まったかかりつけ医等での個別接種の予約では、各病院では職員がひっきりなしに鳴る電話への対応に追われ、市保健所には「電話がつながらない」といった苦情が相次いでいます。
長野市ではネット予約方法をとらず、電話予約に絞ったことから、まだ混乱が小さいものと思われます。
でも、私自身も「電話がつながらない。何とかならないのか」との問い合わせを結構いただきました。心苦しい限りですが「余裕をもって改めて電話を」というしかない状況です。
やり取りの中で、病院ごとに対応が異なることがわかりました。まずは80歳以上の高齢者の予約に限定されていたり、電話ではなく医院での直接予約(整理券方式)や診察時での予約にしているなど、ある意味、「工夫」が凝らされているのですが、市が広報で示した「電話予約」方式通りになっていない実情もしっかり把握しながら、今後に備える必要があると考えています。