長野市は新型コロナウイルスの65歳以上高齢者向けワクチン接種の予約について、かかりつけ医等での個別接種は5月12日から、集団接種は5月21日から開始することを明らかにしました。4月23日に市HPを更新し情報をアップしました。
長野市民新聞では4月24日付で報道されました。5月1日号の『広報ながの』に、接種できる病院一覧と合わせ、予約等についてお知らせしていますのでご確認ください。
個別接種(基礎疾患のある高齢者)…予約は5月12日(水)から、接種は5月24日(月)から
集団接種(基礎疾患のない高齢者)…予約は5月21日(金)から、接種は5月29日(土)から
➡長野市サイト「新型コロナワクチンの接種について」のページ
広報ながの5/1号「高齢者向けワクチン接種の案内」
広報ながの5/1号「個別接種の医療機関一覧」126施設
保健所健康課に何点か問い合わせ
『広報ながの』や長野市HPでの案内を見て、気づいた点を保健所健康課に照会しました。
➊個別接種は市内168の医療機関で応諾いただいていますが、公表に応じた病院等は126だそうです。「通院している医療機関が一覧表にない場合は、個別に確認を」としています。医療機関への問い合わせで負担が増すのではと思いますが、やむをえないようです。
➋市民病院、長野赤十字病院、中央病院、篠ノ井総合病院、松代総合病院などは、持病があり定期通院されている方のみ接種可能となります。広報でも丁寧な案内が求められたところです。
➌また、一覧には「小児科」専門医が含まれています。高齢者に対応できるのか、保健所健康課に問い合わせたところ、「高齢者へのインフルエンザ・ワクチン接種が行われているのではないかと思われる」とし、詳細は未確認とのことです。公表に応じているので、混乱はないものと思いたいです。
➍ワクチンの供給は5月分までは、国・県を通して、いわばプッシュで配分されますが、6月以降分は、国のワクチン接種円滑化システム「V-sys」を通して、市からのオーダー制に移行するようです。でも、量に限りがありますから、需要に応じた供給を得られるかどうかは不明とします。
予約は余裕をもって
「一日も早く接種を済ませたい」と思ってらっしゃる方が多いと思いますが、12日にはかかりつけ医に電話予約が殺到しパンクすることが予想されますので、余裕をもって対応いただいた方がよろしいかと思います。
実は今日午前中、基礎疾患でかかりつけ医(ワクチン接種ができるクリニックです)に行った折にも、既にワクチン接種の予約電話がかなりかかってきていました。当クリニックでは、スタッフを1名増員されていますが、通常の診療に支障が発生してしまうことが懸念される状況になっています。
国は責任ある発言、計画を
コロナ・ワクチンは2月から医療従事者などへの優先接種が進められ、4月12日からは65歳以上の高齢者への接種も一部で始まりました。
しかし、4月26日の厚労省の発表では、「医療従事者などの接種」は 1回が37%ほどで2回完了は18%ほどにとどまり、「高齢者の接種」に至っては全体の1%にも届かない状況です。
菅首相は高齢者向けのワクチン接種を7月末までを念頭に終えられるよう取り組む考えを示していますが、医療従事者への接種も十分に進んでいない現状では7月中に接種を終えるのというのは余りにも無責任な発言です。
さらに、ワクチン接種を加速させるため、自衛隊の医師・看護師の協力で東京・大阪に大規模な接種会場を開設させる方針を打ち出しました。ワクチンはファイザー社製との混乱を避けるためモデルナのワクチンを使用する方向とされます。
今まで、ワクチンの供給見通しを定かにできないまま、ワクチン接種を自治体任せにしておきながら、しかも自治体での高齢者向け接種計画が住民に行き届き始めたタイミングでの大規模接種会場の開設は、自治体での混乱を助長するものとなるのではないでしょうか。
オリンピック開催ありきであるが故に生じる綻びといわなければなりません。
まずは、医療従事者等の接種を早期に完了させ、高齢者への接種に安全・安心を担保すること、エッセンシャルワーカーへの優先的接種を取り入れること、そして、根拠のない無責任な計画・見通しではなく、時間がかかろうとも信頼される冷静な見通しを示すことが政治の責任ではないですか。
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