長野県及び長野市は14日、4月8日に再延長した酒類を提供する飲食店等への休業・時短要請を15日をもって解除・終了すると発表しました。
県独自の感染警戒レベル「5」、特別警報Ⅱが維持され、感染力の強い変異株の感染が顕在化していることを考えると、県及び市の判断は拙速だと考えます。
休業・時短協力要請について県と再考協議し、協力要請の再発出、補償・支援の拡充を図ることを求めます。
県は、感染者数が減少傾向にあることに加え、飲食の機会が原因の感染が「落ち着きつつある」ことを理由に挙げているようですが、一方で、「(県としては)長野市内の飲食関連の感染者数の推移を把握できていない」と信濃毎日新聞は報じています。
解除・終了の判断の根拠があいまいなままなのです。
7~13日の長野市内の人口10万人当たりの新規感染者数は24.18人で、広域圏で県独自の感染警戒レベルを「5」とする基準の「おおむね20人以上」を上回る状況が続いています。
さらに14日には22人、今日15日は13人の感染者が発表されています。感染された方の濃厚接触者・接触者の人数を考えると、とても減少傾向にあると判断することはできません(素人判断ですが…)。しかも、感染経路不明の傾向が強まり、変異株感染も拡大しています。
県知事は「短期間に終了させないと社会経済活動への負荷が大きくなる」とするのですが、私には「延長に伴う1日4万円の協力金、県負担の増大を避けたい。それぞれの感染防止策の徹底に依拠せざるを得ない」と聞こえます。
全国的にも、明確な第4波の到来となり、まん延防止等重点措置の適用が相次ぐ中、長野県・長野市の疫学的・科学的根拠に基づく判断、感染状況に対するより危機感を持った認識・対応が示されなければなりません。
そうでなければ、市民・事業者の納得しながらの協力を得ることはできないでしょう。
少なくとも後1週間延長し、十分な支援を行うことで、事業者の皆さんの理解を得つつ、感染拡大を制御することが必要だと考えます。
そのうえで、飲食店での感染防止対策の徹底強化、積極的な巡回指導を進めることが重要なのではないでしょうか。
このことと関連して、長野市の危機管理が市長・保健所長・危機管理防災監を中心としたトップダウンの判断に偏りすぎているのではないかと危惧しています。危機管理においてはトップの判断は重要です。しかし、危機感を持った判断となっているのか、そして物事を決める判断過程が見えなければ、決定の是非を十分に検証・チェックすることもできません。
市の判断が「大本営発表」にならないようにしなくてはならないと思います。
市議会では、コロナ対策に関する市への要望事項を議会として取りまとめ市行政に求めることになり、今日、改革ネットで、休業・時短要請の解除問題をはじめ、ワクチン接種やPCR検査の拡充等について協議し、会派としての緊急要望事項をまとめました。改めて報告します。