長野市は15日付で、新型コロナウイルスのワクチン接種や小中学校へのタブレット端末配備を進めるため、5億3,100万円を追加するR2年度一般会計1月補正予算を専決処分しました。12日の市議会政策説明会で報告された案件で3月市議会定例会で承認することになります。
ワクチン接種体制確保事業の総事業費に20億2,150万円(全額国庫負担)を見込み、1月専決補正で内9,800万円余(債務負担行為として1億2,000万円を設定)を計上するもので、2月下旬を予定する医療従事者等への先行接種と市民向けの予約・相談センター開設や接種券の発行準備などに充当します。
接種順位は①医療従事者等(2月下旬頃)、②高齢者(4月頃)に続き、③高齢者以外の基礎疾患のある市民、高齢者施設等の従事者、④前記以外の市民としますが、接種順位や接種開始時期は国で検討中のため詳細はこれからとされます。
ワクチン接種は2回で、1人当たり2回×2,277円分(6歳未満は3,003円)の費用は全額国庫となります。
市民の無料接種は、3月下旬以降に医療機関に出向く個別接種と、会場を設ける集団接種の両方で行う方向で医療機関や医師会等と調整中とされています。ワクチンを保管する超低温冷凍庫の配備も必要です。
コロナワクチンに関しては、副作用や変種株への効果に疑念が残りますが、早期に接種を完了させることが大きなカギなると思います。
また、1月専決補正では、小中学生に1人1台のタブレット端末を配備する文科省の「GIGAスクール構想」で、タブレット端末7,600台(小学校5,300台・中学校2,300台)を購入する費用4億3,300万円を計上しました。これも全額国庫補助となります。
市ではこれまで「GIGAスクール構想」の前倒しで、学校におけるネットワーク環境の整備や家庭学習のためのモバイルルーター3,000台の整備をはじめ、タブレット端末の配備では中学3年生を最優先に小学5・6年生、中学1・2年生と順次進めてきていましたが、今回の専決補正予算措置でR3年度の2月期の始まりころまでには一人一台配備が完了する見通しとします。
端末は、中学生はChromebook(GoogleのChromeOSを搭載したパソコン)で、小学生はipad(Appleのiosタブレット)だそうです。
全国的にタブレット端末の配備が急速に進む中、契約が順調に進むことを願いますが、それ以上に大きな課題は、タブレットを活用したIT教育を指導できる教員の質の向上です。教員が追い付いていない現状のもと、学び・学習の道具としてのタブレットの活用が個人や家庭に委ねられかねないことから、新たな学力格差を生じさせないことが肝要です。