8月7日、長野市議会8月臨時会が開かれ、新型コロナ対策にかかる総額57億3,555万円の一般会計補正予算案などを原案通り可決しました。
これにより、長野市の新型コロナ関連補正予算は、総額で475億5,600万円になります。
48億円のプレミアム商品券発行へ
8月補正予算の柱は、事務経費を含め49億9,100万円をかけるプレミアム付き商品券事業(ビッグプレミアム商品券)です。
市内の店舗や事業所で買い物やサービスに利用できるプレミアム付き商品券で、新型コロナで落ち込んだ地域経済を消費喚起により活性化させることが狙い。過去最大規模となります。
プレミアムは50%
商品券は2種類で、額面15,000円(販売額10,000円)のものを24万冊、額面7,500円(販売額5,000円)のものは16万札発行。いずれもプレミアムは50%です。
既に取り組まれている県内自治体の商品券のプレミアムはおよそ30%ですから、長野市の商品券プレミアム率は高いものといえそうです。お得感はあります。
発行総額は48億円、事務経費を含めた総事業費は49億9,100万円。プレミアム分に国の地方創生臨時交付金9億2,000万円、県の「地域支えあいプラスワン消費促進事業」による支出金8億7,000万円を充当するものです。
10月に購入申し込み、購入限度額は10万円
購入申し込みは10月の1カ月、全戸配布される申込書により、郵便またはWEBで申し込み、市役所から郵送される引換券により購入することになります。
購入限度額は一人当たり10万円まで。
利用期間は12月1日~2月28日までの3か月間
事前に参加登録した店舗・事業所で12月1日~来年2月28日まで使えることに。15000円券は2000円分、7500円券は1000円分を中小規模の店舗や事業所に限定した利用となります。
商品券の取扱登録店舗の主な業種は、飲食・宿泊業、小売業、サービス業、運輸業、建設業とされています。
「推し店プラチナチケット」は予想を上回る20万冊の発行に
消費喚起策として6月補正予算に盛り込まれた「推し店プラチナチケット事業」(額面5,000円、2,000円分のプレミアム付)は、1000店舗・13万冊の活用を予定していましたが、予想を上回る1400店舗から20万冊分の申し込みがあったそうで、増刷することに。8月7日までに店舗等に届くとします。
「推し店プラチナチケット」はお店で購入するもので、いわばお店とお客さんのコラボによる消費喚起策です。
南長野運動公園体育館の換気・空調整備や制度融資・利子補給金の拡充も
8月補正予算では、プレミアム商品券のほか、災害時の避難所ともなる南長野運動公園体育館の喚起空調設備の整備に1億3.500万円、臨時休校時における家庭と学校の双方向オンライン事業に備えるためのネットワーク回線の増強に6,570万円、市税や保険料等の支払いにキャッシュレス決済(PayPayやLinePayの利用)を導入する経費3,170万円、中小企業の事業継続のための制度融資の保証料や利子補給金の拡充に4億3,800万円などが盛り込まれました。
また、キャッシュレス決済では、水道料金・下水道使用料金にも導入されることになります。
ほとんどの事業が新型コロナ対策「新しい生活様式」に対応するための事業として、国の臨時交付金が充当されています。
約40億円の臨時交付金を活用しきることに
長野市は8月補正予算で、国の地方創生臨時交付金、約40億円(1次約10億、2次約30億)を使い切ることになりました。
新型コロナの経済対策として盛り込まれたプレミアム商品券事業を柱とする補正予算案には賛成しましたが、臨時交付金の活用方としては、PCR検査機器の拡充と医療スタッフの増強により希望する市民の皆さんがPCR検査を受けられるようにする事業とか、公共交通の維持に向けた支援策の拡充とか、支援が行き届かない皆さんへの支援など、もう少し熟慮・検討される必要があったのではないかと考えます。
感染拡大が止まらない今日、事実上の移動制限・外出自粛要請が再開し、結果、飲食・宿泊・観光に関わる皆さんの事業継続に再び暗雲が立ち込める状況が深刻化します。
一般財源の投入による支援策の拡充がこれからも問われ続けます。9月3日から始まる9月議会の課題です。