屋代線廃止から一夜明け、屋代駅と須坂駅とを結ぶ代替バスの運行が始まりました。
4月1日午前10時から若穂支所で代替バス・屋代須坂線の出発式が行われ、まちづくり・公共交通対策特別委員長として参加してきました。獅子舞で始まった出発式は、市長をはじめ若穂住民自治協議会の会長、運行事業者である長電バス(株)社長らがあいさつ、テープカットの後、電車に代わる新しい地域交通の担い手である新車の低床バスもお披露目されました。1台2,000万円のバスです。
屋代線と並行する国道403号が基本路線で、合わせて58の停留所が設けられ、運賃は屋代線の区間と同じで、1日に15往復するほか、平日の朝は、松代駅から上信越道を経由して須坂駅に向かう「高速便」も運行します。利用者は、鉄道利用の7割にあたる年間33万1000人を目標にしています。
課題は、屋代駅から須坂駅までの通しで電車の倍のおよそ1時間20分かかり、渋滞も懸念されることから利用促進をどのように図るかにあります。
若穂住自協の星沢会長が、屋代線廃止への強い惜別の想いを語ったことが印象的でした。河東地域を貫くバス交通網の将来、市街地と結ぶ路線の将来、長野市域全体の新交通システムの可能性など、地域住民の生活の足をいかにして再構築していくのか、課題は山積です。
このことと関連して「新交通システムの調査が屋代線の再利用を含めるか否か」について、行政側と沿線住民のベクトルが必ずしも一致していないこと、多様な想いが交錯している現実をどのように整理していくのかも課題です。
しかしながら、電車の音、踏切の音が響かなくなった沿線では、無くなってしまった屋代線が実感されます。