地域振興部所管の議案審議のポイントは、住民自治協議会の自立と支所の支援体制です。
住民自治協議会の自立支援で、2年間の時限措置で交付される年間120万円を上限とする事務局長雇用のための補助金の創設(3840万円)や、13地区の中山間地域支援で3年間配置してきた地域活性化推進員を新たに住民自治協議会が主体となる人材雇用に切り替え、推進員雇用のために年間上限120万円と課題解決のための事業費分60万円、計190万円を交付する「やまざと支援交付金」の創設(2639万円)、そして区所有の防犯等を6年計画でLED化するための初年度経費9887万円などを柱とする予算案には賛成。
議論となった点は、事務局長の配置等により地区・地域間格差の解消、支所の自治協支援のあり方です。
私は、新しい制度によって、住民自治協議会は、自治協の活動を担う人材を自治協の責任で確保するという点で大きな転換点になると考えています。企画調整を行い、いわば「管理職」に相当するとされる事務局長、フルタイムの事務局職員、中山間地域ではこれらに加え地域活性化推進員を、さらに保健福祉部所管とはなるものの地域福祉活動計画の策定支援のための地域福祉ワーカーと、2人~4人の人材を擁する自治組織となります。課題は人材の発掘と確保、そして、確保された人材が行政の縦割りを超えて、自治協の中で一体となって総合力が発揮され、まちづくりを推進しうるだけの自由度を保持することだと思います。
特に地域福祉ワーカーを自治協のスタッフとして位置付け、自治協内の自由度を高めることが必要です。
これに対しては、「地域振興部としては問題意識は同一である」と部長答弁。しっかり道筋を作ってもらいたいと思います。
さらに重要なことは、人材確保による自治協の自立への転換点となる中で、支所の支援体制を拡充することです。自治協事務が支所から自治協に移行することで、支所の態勢が減員されることがあってはなりません。質問に対し、答弁は「事務移行は、直ちに支所の人員減とはならないが、将来的には行政改革、トータルコストの面から考える必要はある」とされました。
自治協の自立レベル次第という発想なのでしょうが、今日、支援担当である支所長には、オールマイティ的な専門性、住民自治への深い理解がより求められていくだけに、支所長を補佐する支所内の体制の拡充がないと、支所長も大変です。事務移行伴う支所の人員縮減は行わず、拡充することを強く求めました。
支所の自治協への支援が希薄になっているとの懸念が広がっていることからも、行政側の意識変革が問われているということでしょう。